PTT を試してみた

 DoCoMo のへんてこサービス、プッシュトークの端末を使ってみる機会があったので遊んでみました。実際には、同じ建物の中の近くにいるのですが、ネタということで、実機所有者を募って、5 人で仲良く実験です。
 まず、無線機でおなじみの 「ボタンを押して喋る」 という動作については、特に違和感*1はありません。人を呼び出すまでは普通の電話と同じです。呼び出されてると、会話開始です。
 通常、この手の遊びをするときは、特に話題を決めておらず、なんとなくつないでみましょう、みたいに無目的にやる事が多いと思います。ただ、それだと、つながってしまった後は、お互いに 「あ〜、話せるね」「うん、つながるね」「おげんきですかー」 とかしか会話する事がなくて、物の数分で終わっちゃって、あまり 「実用」 的な意味での感想を持つことができなかったりします。そんなわけで、今回はそれほど込み入った話ではない簡単なミーティングを、この PTT を使ってやってみることになりました。
 自分が発言権を取ると 「ピロッ」 と音がして、発言できる事がわかります。逆に、誰かにとられてしまってると音がせず、発言できない事がわかります。この辺は、PTT 押したら同時に波が出てしまい、混信するだけの無線とは違います。どちらかというと、MCA みたいな? でも、誰かの会話中に PTT を押しても、発言予約みたいな事はできません。
 そして、問題なのは、発言制限時間。30秒しかありません。30秒過ぎると、ピロッっとまた音がして、強制的に発言権が喪失(時間切れ)された事を知らせてくれます。なので、ほとんどの場合、発言中に時間切れになっちゃうか、時間切れになることが怖くて、内容を途中で端折ってしまったりして意味不明になったりしがちですw 慣れてくれば、会話の途中で時間切れになる前に暗黙の了解で、一度切ってすぐ同じ人が発言する合図みたいなのを決めておいて、他の人が発言権をとらないようなローカルルールを作ったりしてうまく運用できるかもしれませんが…。
 あとは、話が軌道に載って来た時に、発言権の取り合いがあったりするわけです。もちろん、自動的に誰か一人に割り当てられるわけですが、発言しようとしたときに自分に割り当てられなかった場合、次自分が取れるまでの間に、何を発言するか、どう表現しようと思っていたかをすっかり忘れちゃう事が結構あり、やっと発言権を取ったと思ったら、当初言うはずだったことの 5 %くらいしか表明できず*2、あまり話が効率的にできませんでした。
 もちろん、この場合、先ほど発言権を取ったらしようと思っていた内容に加え、発言権を次にとった(とられたw)人へのレスも含めて頭の中に暗記する必要があり、雪だるま式に返答予定内容が増え、それにしたがって、同時に時間経過とともにどんどん記憶から消えてきます。
 これと同時に起きたのが、そうなる前に、あらかじめ発言権を何とか取ろうとする試みです。つまり、言うことがあると思ってから発言ボタンを押しても取られてしまうことがあるので、言うことがあろうとなかろうと、とりあえず発言ボタンを連打。なので、もし発言権が取れても、あ、いう事がまだなかった、なんていうこともありますし、発言権を取ってから発言内容を考えるという本末転倒の現象も発生しました。
 この結果どうなるかというと、ほとんど会話が成立しないw 発言が、途中で尻切れになってしまったり、尻切れにならないように話を省略しすぎて何がいいたいかわからなくなってたり、無意味な発言権取得で「うーん」というだけで終わってしまったり、それにともなってどんどん発言するつもりの内容を忘れていき…。相当厳しかったです。これは、完全に 1:1 で、相当薄い内容の会話じゃないと使えない感じです。
 そんなわけで、使い方によっては便利なのかもしれませんが、ちょっとしたものであってもミーティングには使えない感じです。ほんと、TVCM みたいに 「ご飯しに行く?」「いく」 という、i-mode mail のような非常に短くすぐ完結する会話くらいにしか使えなさそうです。要は、DoCoMo さんとしても、会議通話は FOMA の会議通話機能を使ってください、という事でしょう。
 残念ながら、当初からあまり便利な気がしなかった機能ではありますが、予想通り、うちらにはあまり PTT は使えなさそうです、というのが結論となりました。

*1:今回遊んでみたうちらの中にはいませんでしたが、慣れてない人は慣れてないようで、押して、喋る、というのは意外と戸惑う人もいるらしいです。

*2:そして、発言権が取られたあとに思い出すw