高校時代の思い出

 J-wave で話題にでていてちょっと高校時代にあった 「認めなくていい若さゆえの過ち」 な出来事を思い出しました。当時は丁度、アクセサリのダイレクト電話*1が高校生の女子に向けて、うちらの地区ではよくありました。
 実家なので、親は電話帳に普通に住所氏名電話番号を掲載していた上に、当時は個人情報う云々もなく卒業名簿も Nocare だったので、どの家に何歳の子供がいるかというのは業者に知られてたものです。で、高校生ともなると女子ならファッションに興味を持つ時代…一般的にはw そこを狙って、アクセサリいかがですか?みたいな勧誘があったりするのです。
 まぁ、高校生くらいになるとバイトを始めて、お小遣い以上の金額を初めて持つことにより、お金の使い道に困るくらいなので 「アルバイトでお金も少しは持ってるんでしょ?」 みたいに、いいお客さんなのかもしれませんがw 私は当時から世間一般のファッションとかおしゃれには全く興味がなかったので、完全無視で、電話口に出たら、普通に断ったり、友達や母上、妹のふりしたりとありきたりな手口で回避してました。でもやっぱり、ひつこいのです。
 で、当然無知。そこで、勧誘のお姉さん(女としての先輩よ!みたいな喋り方の雰囲気の人)は、アクセがどういうものか、どうやって選ぶべきかを教えてくれるとの事と、あとは、あなたに合うアクセサリっていうのを選んであげるとか、いろいろ 「買わなくてもいいから、将来のお客さんとして」「売り上げも欲しいけど、個人的にアドバイスするのがすきなの」 とかうまい事を言ったりするわけです。
 あまりしつこいので、友達と相談。「一度会ってくれればいいから」 というので、しぶしぶ承諾。週末に駅前で待ち合わせをする事になったので 「髪の毛はポニで、青のデニムキュロット、白いパーカー、ベージュのバックパックマイコンBASICマガジンという本を持っています」 と、目印を伝えました。本当は、お姉さんの方が先に 「xxxの前で待ってます」 と言ってたのですが、私は自分から声をかけるのが苦手なのと、間違えやすいのでそちらから声をかけてください*2、とお願いをしたのです。
 で、髪型をポニにできる生徒会の友達10人で全員でそれっぽい格好に。キュロットは持ってなかった人もいるので私のを貸し出したり、ベーマガはバックナンバーを渡してお揃いの 「指定した装備」 にお着替えして駅前に向かいました。定刻より30分早く到着し、適当に立ち位置を決めて待機。駅前の噴水付近に散開しました。
 やがて一応聞かされていた風体の、勧誘のお姉さんぽい人が定刻 5 分前に到着。辺りをざっと見回した時に、うちらの姿が目に入って明らかに 「どうしよう(汗)」 という表情に一瞬なりましたw そして、定刻になるのを待ってから、少し悩んだ様子で、これで諦めて帰るかな…と思ったら、一番近くにいた人に声をかけました。もちろん、私じゃないので、人違い。次、二人目。
 6 人目に声をかけたところで、実は私の読みが甘くて、場所は遠いんだけど、その途中には友達はいなくて、次が私という状況になってしまいました。話しかけないで諦めて帰るか、もしくは 2〜3 人に声をかけたところで諦めると読んでいたのですが、まさか 6人も声をかけるとは。20人くらい集めておけばよかったかなぁ、と思いました。しかし、二重にウソをつくのはいやなので、私に声をかけられたらダメです。諦めてついていくしかない上に、この意地悪の釈明もしないといけないので、大変気まずいです。避けたい事態です。で、どうしようと思ってると…。
 なんと、その友達と少し話をして…やがて二人で歩いていってしまいました。
 バレて怒られて、警察とかに連れて行こうとしてるのかな、と思いましたが、どうもそうじゃない模様。どうやら、勧誘のお姉さんはめげずに、その人違いの "私" に新たに勧誘を仕掛けて、その彼女が本当にそのアクセサリに興味を持って、ついていってしまったのです。
 実はこの、勧誘負けした彼女。私は、お姉さんは愕然として誰にも声をかけられないか、それっぽい人一人か二人に声をかけて諦めると予測していたので、一応声をかけられることを想定して、待ち合わせの中心に近い位置に、演技の上手でだまされにくい声をかけられても大丈夫なしっかり者を配置しておきました。残りの人は、そういうスキルのない、いわばダミーです。しかし、予想以上にお姉さんは頑張ってしまい、その彼女は残念ながらその選考基準から外れて、私の近く(というか隣)にいた人だったわけです。
 後日話を聞いて明らかになったところによれば、どうも、このお姉さんは、確かにインチキくさい勧誘の手先ではあったけど、本当にアクセサリを人に勧めるのが好きな人だったようです。ノルマは果たせないのであまりお金は出ないけど、勧誘を口実にアクセサリどうこうをアドバイスできればそれは楽しいので、問題ないとのこと。
 実際、喫茶店に入って行われたお店の説明は形式的に最初の1分くらいで、あとは、雑誌やお姉さんが描いたメモを使った一般的な説明だったみたいですごく平和に終わりました。どうも、当時はまだバブリーだったからか、勧誘に成功して喫茶店とかで話をすれば、商品そのものは売れなくても最低限のノルマのカウントはされていたらしく、お姉さんのバイトとしての用事は実はその時点で済んでいたわけです。あとは、趣味としてのアクセのアドバイザリー。
 友達から聞かされて事実を知り、意地悪してなんだか悪い事しちゃったね〜、と思いつつも、これだけで話は終わらず、なんと、この勧誘お姉さんは近所の母上の知り合いの家の娘さん。歳は、6個くらい離れてるのでそれまでの私との接点は皆無でしたが、お姉さんの側があとから名前と住所をあらためて見たら、知り合いの娘さんだとわかって、その全貌をお姉さんはそのお母さんに話したそうです。もちろん 「同じ格好で意地悪された」 というdetailを含めて。
 で…。
 その話は当然、雑談レベルで私の母上にも伝わり、私はおこられてしまいました(TT ちなみに、そのお姉さんも、悪気はなかったとはいえ、ご近所さん相手にそんな勧誘をしてる事がお母さんにしれて、これまたこっぴどくおこられたらしいです。私は、電話があったときに、母上に 「断って」 とお願いしていたのですが、母上は当時私によそに対しても "自分の事は自分で責任を持って対応する skill" を身につけさせようとしてたみたいで、自分で出て、どうすればいいか考えて自分で適切に対応しなさい、と言って断ってくれなかったわけです。そこで、この計画が誕生です。
 あとから聞いたところでは、待ち合わせ場所で人を見回して同じ格好が10人くらいいるのを見て、まもなく、私に意地悪されたとわかったそうです。でもさすがに人数が多いし、こんな手の込んだことをするとは信じられなかったとかw ところが、お姉さんは意外と負けず嫌いで、同じ格好をしてる人は私の仲間である事は間違いないので、少し考えた後、意地で片っ端から声をかけることに決めたそうです。最期の彼女に声をかけたところで、さすがに諦めようと思ったものの、このまま帰るのは悔しいと思って、私ではなくその彼女を直接勧誘する事を思いつき、勧誘して連れ帰った、というのが、お姉さん側の流れだった、と聞かされました。
 お姉さんの方は、全くおこっておらず、その場では頭に血が上ったけど、後から考えると、同じ格好10人で来るなんて信じられない、おかしくてたまらないと、笑ってました。ただ、それで一度お話をしたっきり、それっきり、気まずいのでそっちの家の方に近寄ってません(^^;

*1:ダイレクトメールの有線電話版…名称あるんだろうか?w

*2:これはウソではなく本当で、今でも待ち合わせは、オフミなんかの顔を知らない相手じゃなくても必ず "誘われ待ち" です。