メイド喫茶に足りないもの

 お鉢が回ってきたのでw
〜今のメイド喫茶に足りない要素〜
プロ意識・接客対応&言葉遣い・メイド&経営者としての自覚・経営資金・美味い料理
アピール・経営手腕・流行っている作品の基礎知識・他店調査・顧客管理・日or週or月替わりメニュー
 このサンプルをそのまま使えば

  • プロ意識

 もっとも普通のバイトさんにそれを求めるのは他の業界でもなかなか難しいでしょう。むしろ、割合的に考えれば(初期の)スタバとかアウトバックみたいなブランド意識があるものだとかなり高かったりするのですが、そのほかは普通に 「お金をもらう場所」 でしかない人が大半を占めると思います。正社員と違って長くいるわけじゃありませんし、バイト歴があればあるほどそうなるのではないでしょうか。
 メイドさんの場合でプロ意識が低いスタッフは、前も書いたとおり、一つは 「流行ってるから」 何の興味もないのにやってるだけ、もう一つは「他より比較的お給料がいいから」 とお金につられて 「高給」 なのがこれだから、という感じです。これら二つの場合には、高いお金をもらうために上手に「演技」できる人は別として、それ以外は、クビにならない程度に…という感じじゃないでしょうか。
 私のバイトの経験から言うと、やっぱりプロ意識を持たせるのは一体感です。このバイト先が好きだから、このお店のブランドや支店が好きだから、自発的に少しでも良くしようとがんばろうとする雰囲気を作ることです。そういう雰囲気作りの大切さは、バイトではなく今の組織でのスタッフ管理でもとても重要です。昨今セキュリティとか情報漏えいといわれていますが、NotePC 持込禁止とか USB メモリ禁止とかの、高校生の校則みたいな規制をかけることよりこっちのほうがずっと効果があります。
 プロ意識が必要だということに気がついた経営者の方が、もし 「プロ意識を持て!」 とメイドさんたちに注意をしようと思ってるなら、それは理解できてない証拠。プロ意識はいわれてもてるものじゃありません。プロ意識の持てる店舗作りをすること、それがまず、最初です。

  • 接客対応&言葉遣い

 別にあまり厳しいことは言いたくはありませんが、メイド喫茶はまがいなりにもメイド喫茶です。メイドさんといえば、礼儀正しく丁寧なもの。つまり、普通のレストランより 「ごっこ」 とはいえメイドさんとしてちゃんとした言葉遣いができないといけないわけです。もちろん、単に普通の人がメイド服を着てればそれで喜ぶ人もいるかもしれませんが、より上を目指すなら、普通のレストランの社員のワンランク上の接待ができないといけません。つまり、ツンデレ系などの特殊属性があるものは除いて、言葉遣いが乱暴だったりある程度の敬語がちゃんと使えない(使う気がない) 人、低姿勢になれない人は不適切ということになります。

  • メイド&経営者としての自覚

 これは上とほとんど同じになりますが、やっぱり二つあるわけで、一つは 「お給料もらう以上やらないといけない」 という 「やらされてる」 自覚と、もう一つは 「私はメイドさん♪」 という 「自発的な」 ものです。世の中の多くは残念ながら前者で成り立っていますが、前者はビジネスライクで、冷たいながらも、プラスティックでできた笑顔という「マナーのよさ」くらいは味わえるでしょう。後者は田舎のまごころみたいなもので、温かみも本心からの楽しみも味わえますが、たまにお仕着せがましかったり、濃すぎたりすることがあって困ることもありますね。どちらを好むかは人それぞれですが、どちらかは必ず持ち合わせてほしいものです。

  • 経営資金

 これは私はよくわからないのでパス。いいお店がなくなるのは悲しいので、豊富に用意してほしいですが、いいお店ならなくならないという話も? まぁ、周知機関とか宣伝の方法とかもあるので、存続のためのコストって最初結構かかるかもしれませんね。

  • 美味い料理

 レストランとしては当然ですが、高いと来なくなったりもしますしね。むしろメイドさんとお話しできればいいのでお料理なんてどうでもいいという人もいるでしょう。おいしいお料理は、レストランとしての 「実用度」 を求めてるので、それよりも萌えが重視の人にはだいぶ厳しいと思います。安ければ従業員のお給料も減ります。まぁ、安くてもおいしいお店とか言い出せばむしろメイドカフェじゃなくてもそんなお店あったら見てみたいものです。

  • アピール

 「良いお店なら黙っていても人が来る」 とか 「秋葉という立地ならほっておいても人が来る」 みたいな雰囲気もありますが、実際そう思って廃れていったお店も少なからずあります。特に初期のメイドカフェ(漫画喫茶形態)なんかがそうだった気がします。
 問題なのは、お客さんを選ぶ店舗形態だということです。なので、できるだけ多く
の人に知ってもらって、その中から、自分のお店に会うコア層、リピータとなりうる人を探し出す、捕まえることが必要なんじゃないかなぁ、と思います。逆に言えば、アピールにも熱心になれないやる気のない経営者では先も長くないでしょう。好きこそなんとか、と言いますが、経営者自らが自分のお店を知ってもらいたい、みんなに来てもらいたい、という基本的な欲求が生まれてこないようではちょっと危ないです。

  • 流行っている作品の基礎知識

 まぁ、これは見せ方だとは思いますが。「私、別にこんな仕事してるからってオタじゃないから、そういうの知らないし興味ないんだけど」 みたいな返答だとかなり問題です。というか 「こんな仕事してるからって一緒にしないでよね」 という考えだと最悪です。私もそうですが、これを恐れて心から楽しめないことって結構多いわけです。特に、世の中、冷めた感じで一歩引いてみるほうがかっこいいみたいな考え方が多いですから…。
 一方で、同じ「基礎知識ゼロ」 であっても、メイドさんと言う雰囲気・文化がすき、かわいい格好がすき、こういう人間の層が好き、というのならまったく問題がないと思いますし、それならそれで逆にお客さん受けする要素ともなりうるかもしれません。作品に、同じ「興味がない」「知識がない」 でも、その見せ方と言うか考え方によってかなりの差があります。前者なら、他のお仕事を考えたほうがいい&そういう人は雇わないほうがいいでしょうが、後者なら、むしろ無理して勉強する必要は皆無と思われます。

  • 他店調査

 こういう「業界」が好きなら、おのずとほかのお店を見てみたりしてる人は少なくないと思います。言われてやる事ではないですね。それに、他店が流行っていようがいまいが、それをまねすることは、立地以外での自分のお店の個性をスポイルすることにもなりかねません。まだ駆け出しで基礎的過ぎることを見て学ぶところが多いなら価値があると思いますが、そうでないなら、興味本位で遊びにいくだけで充分です。

  • 顧客管理

 これはかなり重要です。会員証などにも、今の個人情報意識過剰の時代、本名も住所も書いてくれない人がいるかもしれませんが、逆にそこでちゃんとかいてくれる人はしっかり捕まえておくべきです。本名や住所を書かない人であっても、このお店なら長くお世話になってもいいかな、という気があると、本名住所を書いてくれたりすることがあります。いずれにしても、特別なサービスはなくても 「私はこのお店から認識されてるんだ」 という意識は結構重要です。
 たまに、しつこくない内容の DM がきたり、お誕生日のお祝い手紙が来たりするだけでかなり変わってきます。これって、メールはダメなんですよね。メールの場合は単なる spam になっちゃって 「あぁ、メアド書くんじゃなかった」 とネガティブに捉えられることがあるからです。お手紙があると、例えば秋葉なら、秋葉に行った時に「ちょっと寄ってみようかな」「休憩しようと思うけど…そういえば、あそこで休憩しよう」 と思ったりするものです。
 あと、割引券の扱いも注意が必要です。これは、無期限が望ましいです。期限内にまた行く機会があれば、プラスになりますが、そうでない場合は 「あ、期限切れてる」→「じゃぁ、またの機会に行こう」 みたいな形になり、むしろ割引券があることが悪く作用してしまう可能性があるわけです。
 とはいっても、無期限にすることは債務上のリスクを負うことになるのでそれなりに怖いものだとは思います。また、無期限だと「そのうちに行こう」程度になっちゃって集客効果が薄れます。なので、あいまいな期限を設定しておくのもいいかも知れません。夏とか、秋とか。
 あとは、明らかに期限切れのチケットでも対応をすること。これについては、スタッフ教育が必要で、例えば 「期限切れでも使用を受け付けること」 と教育をしたところ、レジで期限切れのを持ってきたお客さんに 「大丈夫ですよ、切れてても使えますから」 と当然のように語ってしまうと、次回から期限を無視するようになりますし、何らかの事情で期限を厳格化する必要が出て厳格化したときにトラブルになります。あくまで 「しょうがないですねぇ。でもせっかくですから」 と、特別対応に見せることが重要で、次回からはあくまで使用期限内に使うように促すことが基本です。
 かといって、期限切れだからと断っちゃうのは極力避けるほうがいいです。フルにそのチケットの効果、例えば、1000円引きなら、1000円引かなくてもいいですが 「期限切れなので本来はまったく使えないのですが、せっかくおいでいただきましたので、食後にオーダーいただいたコーヒーの分を無料とさせていただきます」 なんていう対応をすることがいいでしょう。このとき、やっぱり特別感を出すために SV 確認 (社員や SR の確認を取るようにすること) を必要として、お客さんをお待たせしてしまう格好にするのも、良いかもしれません。バイトさんに「特別対応を演技して」 というのは難しいでしょうから、そういう風にすることで実質的に特別対応を演出できます。
 まぁ、やらせといえばやらせですし、個人的にはあまり好きなことではありませんが、悪意のあるやらせでもありませんし、許容範囲かなぁ、とも思います。一応おもてなしの演出の範囲かなぁ、ということで。ただし、調子に乗ったリクエストには No をいえるようにしておきましょう。「期限が切れていても使えて当たり前」 のような風潮を作り出すと、後で結構トラブルになりがちなので、気持ちは本当に断る勢いで。

  • 日or週or月替わりメニュー

 これはちょっと微妙です。というのも、リピータを考えた場合、デイリー、もしくはウィークリーでのリピータならいいでしょうが、月に 1 度くらいしか来ないようなお客さんの場合にはちょっと厳しいです。まぁ、ヘビーユーザは週に何度も来るでしょうからあきさせない工夫が必要でしょうし、近隣でランチに来るようなレベルになれば、日替わりが必要かもしれません。いずれにしても、ユーザー層を考慮して決定するといいでしょう。逆に、日替わり=別の日には無い、ということですから、前に来たときにたまたまそのメニューにあたって気に入って、それを食べに再来店したのに無かった、というのはかえってマイナスです。