ガムテープ職人

 ふとぐるぐるしていると見つけたこのネタ。普段、話題になるものやネタになるものって、実際にはそれを 「あ、知ってる!」 という事はほとんどなかったりします。東京に住んでると、何でもイベントが身近なものだと思っている方もいらっしゃるようですが、それは東京に住んでると芸能人を毎日見かけると思ってるのと似たようなもので、実際には地方とほとんど差はないくらいです。
 「有名な代官山のショップxxx」 なんていわれても 「あ、知ってる!前から使ってるよ!」 なんていうことはほとんどありません。東京でありながら、この手の話題は実際の世界の住人とはどこか別のところで造られてるようです。まぁ、ファッションの世界みたいに、実際に流行ってるわけではなく、これから流行らせようというものを業界で勝手に 「今年はこれが流行る」 とやってるのと同じかもしれませんがw
 そんな中、あれ、これ有名だったんだ、というか、知ってるヨそれ〜、と、首を縦に振ることができる /yes な感じのものに出くわしてあります。それが、このネタ。
 新宿駅ガムテープ道案内」の作者実演をみた!
 今でこそ地元にヨドバシができてしまい、神様ステーキを食べる時以外はすっかり疎遠になってしまった新宿ですが、ちょっと前まで頻繁に利用していた駅で、工事をしていてごちゃごちゃしているその雰囲気も良く知ってたりするわけです。なので、このガムテの案内図もとてもよく覚えています。
 感想としては、すごい!というのではなくて 「ふ〜ん、最近はこうやって案内図を作るんだぁ」 程度のものでした。半分病気みたいなものでしょうが、新しいやり方や物を見ても 「専門家と会社が人間工学に基づいて何か開発してその指示でやってるだけ」 みたいな、事務的なものの見方をついしてしまうようになってしまっていて、感動を覚えません。まぁ、所詮仕事でしょ、みたいな。
 ところが、この記事を見て、個人でやっていた事にびっくりです。二通りの意味で。一つは、個人が考え出して個人が実施していた事。もちろん、無関係の通りすがりではなくて警備担当の人なわけですが、それでも個人がこういうことを考えて、実行したのはアイディアとスキルの両面ですごいと思います。
 もう一方がそこから派生して 「個人で勝手にやっちゃうなんてすごい」 というか、もっと言えば 「個人で勝手にやってよく怒られなかったわね」 とか 「許可も取らず個人で勝手にやろうとする度胸がすごい」 転じて 「よくクビにならなかったわね」 というかなんというか…。
 私が大人になって学んだ事の中には 「いいことだと思ったからといってきちんと相談したり許可を取ったりせずに勝手にやらない事」 というのがあります。良いと思ってやったとしてもしかるべきところに一言言って許可を取る事は何をするにも必要、というのを何度も起こられて学んだ気がします。小学校の頃は、教室の掲示板に勝手に何か貼り付けても怒られませんでしたが、会社とかマンションの掲示板に何か張るには許可は必要です。
 実際問題、このガムテ案内図も、たとえば防火対策上、難燃素材を使わないといけないかもしれない問題とかは大丈夫だったのか気になりますが…。
 あと、こういうのって、バックグラウンドの説明くらいはしてもいいとは思いますが、実演会というかショーみたいなのをやるとちょっと安っぽくなってしまってがっかりです。ネタ的にショーをしたり本を出させたりテレビに出させるとお金になるからと炊きつける業者とかがいそうですが、テレビに出て実演とかしだしたら一気に安っぽくて 「すごい」 と思わなくなりそうです。
 いずれにしても、この図は新宿で工事中に目的の番線に出るのにそれなりに役立ってい
て便利で、よかったと思います。いいアイディアですね。そんなわけで、自分がある程度接していたものがネタになるのは珍しいのでちょっと書いてみました。