映画鑑賞

映画を見にお出かけをしてきました。今回は、スタートレックと違って友達と二人とかで はなく、友達関係が数人集まっての鑑賞会。ネットで予約をして座席を連続領域を確保してみてきました。
 席はほぼ満席。でも、並んでいたりすることはなくつつがなく見れました。結論からいうと…黒が死んでる…。映画館の画質はこんな物でしょうか。まぁ、シネコン系でそれほど設備に気を使っていない気がするので仕方ないのかもしれません。
 さて、以下はネタバレをわずかに含むかもです。
 前作を見てからすっかり時間が経ってしまって内容を結構忘れていましたが、直前に BD で見せていただいたので少しは蘇っています。申キャラが出るということでしたが、噂通りの新キャラ。アスカさんとはちょっと違った感じの偉そうな感じの人です。最近はこういうキャラが流行なんでしょうか。ルカさんとか。 それだけ男子受けするという事?!
 なんて他人事だと思ってたら、使徒ジオフロントに侵入してきたのを必死で守るあたりのシーンが 「他人事じゃないでしょw」 と言われてしまいました。どの部分がそれに該当するのか不明ですが…。私はあんなに明るくないですよ?w
 さて、感想ですがそれなりに「素直な映画」になっている感じもします。例えば、アスカさんが、単に自信過剰の高飛車な人ではなくて、そういう要素を基本にしつつ普通の人っぽく。「あのメンヘルツンデレお姉さんね」で終わらない存在感が増えたと思います。シンジくんとミサトさんとの生活にそれなりに溶け始めてたし、何よりなのはお弁当作戦に参加すること。さすがに内容はベタですが。
 でも、お料理不慣れだからと手に怪我をする人は私のまわりには殆どいません。家庭科の授業から大人になるまで、怪我をする確率はベテラン主婦もお料理不慣れな子でも大して変わらないんですよね。ま、そこはアニメということで突っ込むのはアレなんでしょうけど。かくいう私もお料理で手に怪我をしたことは一度もないです。
 レイさんも同様で、お父さんとシンジ君を仲良くさせようと画策してみたり、お弁当頑張ってみたりと人間らしい一面を見せます。今までの、冷めた感じで淡々としていたのが好きな方はちょっと残念かもしれませんが、一方で人間らしい側面を見せることでよりソフトな印象になって、好感度アップした方も多いのではないでしょうか。
 この辺は、アスカさんもレイさんも、それぞれの形で近寄りがたいキャラだったものが、少し柔軟路線に変化することで、視聴者にとって現実的で距離が縮まった、身近な存在になる、という効果を狙った物かもしれませんが。変なお話ですが、アスカさんが好き、レイさんが好き、と言ってる方の中には、最後には自分だけには優しい面を見せてくれる、自分だけには親しく接してくれるというのを(無意識に)期待してるっていうのもあるでしょうから、オリジナル版からのファンの人の、そのあたりの心をくすぐりそうな設定です。
 それに、レイさんとアスカさん二人の距離も縮まった(対話がある)感じですし、融和な世界かもしれません。そんな融和な世界において、結局アスカさんとレイさんは散々な目に会うわけですが、これは、見ていて二人を 「かわいくなった」 と思えていた視聴者には、オリジナル版と同じような悲劇を迎えるとしてもよりショックは大きくなる効果を生んでいると思います。まだ二人の「行先」は見えていませんが、次回作でどうなるか楽しみです。
 同時に、わかりにくかった設定、流れをわかりやすくしている面もあり、旧作ではなかなか書かれなかった具体的な心理 「イカリくんが二度と戦わなくて済むように」 とか 「綾波だけは絶対に助ける」 といったセリフが入っていて 「何でこの人こんな事してるのかしら」 という不思議さがなくなった気がします。
 オリジナル版の時代は、ちょっと難しいセリフや引用、難解な設定を画くことが 「高度な映画」 のような雰囲気があって変に流行っていたりしましたが、今はそれは逆にあからさまでちょっとカッコワルイ時代になったのでだいぶ減らされたのでしょうね。結局最後は、雰囲気だけで押し切るのではなく、視聴者に内容をちゃんと理解して貰わなければ意味がないという事に気が付いたのでしょう。わかりやすい=幼稚と捉える人はいつの時代もいますが 「わかる人だけにわかる」=「わかる私かっこいい」 という虚栄心を満たすだけの映画は空しいだけですからね。
 そんな中では、リツコさんは相変わらずの設定です。汚染されたアスカさんが処分されないか心配するミサトさんに対して 「貴重なサンプルだしね」 というリツコさんのセリフ。これはやっぱりそれなりにビジネスライクにしないとやっていけない、ある種の割りきりなのでしょう。
 普通に人間と見て感情移入してしまっては何かと厄介な部分があるんでしょうね。ちょっと違いますが、ファミレスでバイトをしていて次々出されるおいしいそうなお食事を食べ物と思って全部おいしそうだと思っていたらおなかがすいてたまりません。お客さんに出す単なる商品という物質だと思って淡々とお仕事するようにしないと、食欲が暴れて大変なのに似てるかも?w
 さて、総じて感想を述べるなら、それなりに楽しめた作品で、期待値はしっかり上回る楽しさでした。最近の映画はよく練り込まれているのかもしれませんが、ルル2と同様、途中ダレないで飽きさせないで眠くさせないで良いテンポでどんどん進んでいく、上手な作り方はしていたと思います。
 ただ、一方でバランスの悪さもあります。例えば、新キャラ登場でジオフロントで迎撃しようとした使徒の場面。(たぶん)優秀だという設定の新キャラが2号機を操作して使徒に立ち向かう。でも、勝てない。ここまではありがち。でも、ここで新技登場。裏コードで、ナイトライダーでいうところの 「スーパーモード」 になり 「そんな隠し技が!」 なんていう驚きが走ります。
 これで倒して新キャラの株急上昇、となるのかと思いきや…結局ボロボロに負けます。あの新技は何だったのよ…という失望感というか、新技が一気に安っぽくなった喪失感。しかもその上、決死で突撃した綾波さんのミサイル。2号機の人が全力でこじ開けて、二人で力を合わせて最後の抵抗、だったのが…これもまた使徒にダメージを与えられず、無駄死にに終わる…。
 一度ならず、二度も 「今度こそは」 が裏切られ、盛り上がるところが全部クールダウン。使徒に取り込まれることになった綾波さんの犠牲も努力も何も役に立たず、協調した美しいシーンも何の意味もなく 「新キャラと力を合わせて」 とか 「新技によるエヴァのの底力の発揮」 なんていう物が一切無意味に終わるのは、かなりの失望感です。散々盛り上げておいてそれですか、というのは、かなり冷めました。
 映画の定番で確かに 「必殺のなんとか」 が功を奏さず、というクライシスシーンはあり、それが緊張感を高めていく 「もう打つ手がない。さて、どうする?!」 というようなハラハラドキドキ要素につながる場合もありますが、今回の場合は、単に 「無駄死に」 という風にしか写りませんでした。あれこれ手段を尽くすも功を奏さず、さてどうなる?!という風に写らない描写でした。
 あとは歌。声優さんによる普通の歌の挿入が 2 箇所ありましたが、あれはちょっといまいちです。あの 「意図的な KY」 な描写がエヴァっぽいといえばそうなのかもしれませんが、歌と本編との関連が無く、雰囲気も異なり…いわゆる 「ダサかっこいい」 なんかの感性が理解できない私にはいまいちにしか写りませんでした。歌も、練習なしで歌った感じでした。個人的にはこういう描写の仕方は共感を呼びません。
 というか、ミサトさんって一佐なんですね。すごい…。まぁ、確かにあのクラスの指揮を執っているなら一佐でもおかしくないっていうか、三佐ではアレでコレですね。映画なんかだと階級はインフレ気味なのが定番ですが、こんなものだと思います。
 それにしても劇中に登場した 「状況、終了」 とかの言い回し、その筋の方が絡んでるのかしら、という気がしました。あんまり一般的には知られていない言い回しだと思います。作戦終了と状況終了は違うわけですが色々書いてしまうとアレなのでとりあえず妙にリアリティがある〜、と思ったのでした(アニメ映画ならこういうリアリティよりわかりやすさ重視だという気もするので)。
 一応、ある程度おすすめです。