LED電球がやってきた

 何度か触れていますが、例によって、従量課金、つまり、使えば使うほどお金を取られるという、一見世の中では当たり前のシステムが、私は苦手だったりします。事の起こりはインターネット以前のパソ通時代の電話料金。深夜時間帯だったとしても高い電話料金。このときは留学前だったので "US だと市内料金は 25セントでフラット" なんていうのは知るよしもなかったのですが、高いと感じてはいたのです。
 お金がかかっていると思うと、落ち着かないのです。ちょっと記事を読んでいる間も課金されていきます。そうなると一気に落としてあとで見るわけですが、そうすると、こんどはライブ感が失われて楽しみは半減。オートパイロット? そんなのはログインするときにしか使いません。
 電気代もしかり。現在電気代が 4 万円を超している身としてはやっぱり電気代は気になります。こまめに電気を消してコスト削減を図っていますが、やっぱり面倒です。パソ通時代に電話料金を気にしてすぐ切断してしまったのと同様、電気も料金を気にして電気をこまめに消したり、つけなかったりしてあまり好ましくありません。とある手術をする前は暗視スキルがあったので、実際暗くても電気をつけず歩けたのもありますが、とかく電気をつけない感じです。
 これ、貧乏くさくて雰囲気がダメなんですよね。お部屋って、やっぱり電気が明るく灯されていてこそのお部屋だと思います。必要最低限の明かりで過ごしていることのひもじさは、どうもイマイチです。心が貧しくなります。世の中、エコと言いますが、生産してこそのエコだと思いますよ?
 さて、そんな電気代を削減したい私ですが、問題点があります。それは、マンションの設備。今時のマンション(や建て売り住宅)は、内装が豪華だとか綺麗な感じがすることがそれなりに見られるらしく、例えば廊下の照明もダウンライトで、これだけ世の中電球型蛍光灯が普及していたり、消費電力を気にするのに、使われているのもクリプトン球なんかの普通の 「電球」 だったりします。
 蛍光灯なんかは実用性は高く、消費電力が少ないのですが、悪い意味でも実用的で、照明としては立派ではあるものの華やかさがありません。普通の電球にも華やかさはありませんが、クリプトン球などには独特の趣があり、マンションみたいな 「狭いながらもこじゃれた」 感じにする場所にはなかなかいいわけです。実用性より、見た目の華やかさで人は感動しがちですからw
 このあたりは、ある程度の面で発光する蛍光灯より、点で発光して、色が 「火」 に近い電球の特色なのではないでしょうか。特に小さなクリプトン球はクリスマスイルミネーションほどではなくても、おしゃれな感じになりやすいものです。また、クリプトン球以外でも上手に配置することで暖かみと華やかさが両方ある環境を作りやすいものです。

 でもこれ、ひとつで 60W とか消費するのですから凄いものです。電球なんて 60W や 100W なんて当たり前に感じていますが、その 60W って結構な消費量です。たかだか光っているだけなのに、100W といったら、家庭用の電気契約のうち 「1A」 を消費してしまうのです。30A 契約なら電球を 30 個つけただけで他に何も使わなくてもブレーカーが限界を迎えます。左の SS が交換前のレガシー電球です。
 かといって、光ることはそれだけエネルギーを使う物かというとそういうわけでもなく、蛍光灯や LED なんかはずっと効率よく電気を光に変換してくれます。人類最初の電気光源である電球という物がずっと使われてきているわけですが、歴史が古いだけあって効率という面ではすでにかなり悪い部類に入ってしまうのです。
 とはいっても、季節の照明器具を交換するのは難しいわけです。電球を蛍光灯にするには照明器具と、その取り付けの形を変更する工事になってしまい、よほど決心がないと面倒でやりません。なので、電球型蛍光灯が出るまでは、電球は電球のままでした。ただ、電球型蛍光灯は既存の蛍光灯を電球の形にしただけですし、点灯してからすぐの明るさの不十分さや、大きさの問題があり、私は正直興味ゼロでした。
 ところが、今回登場していたのが LED 電球。LED 自体、そもそも照明に使われてきた物ではなく、電源がついていることを示す赤ランプや、HDD のアクセスランプ、電車の電光掲示板などの表示器に使われる程度でした。それが、車のヘッドライトに使われたり、照明に使われるようになったのはごく近年のこと。つまり、電球型蛍光灯が単に形を変えた物であるのに対し、LED 電球はその技術そのものが新しいわけです。これ自体、萌えますw
 お値段は普通の電球の方が格段に安いのですが、寿命と電気代を考えると、そうでもないのです。冒頭の 「従量課金が苦手」 な私は、一度払ってしまえば、あとは定額(orあまりコストがかからない)というのが好きなので、多少高い LED 電球でも、一度買ってしまえば電気代が安くなり、寿命も長く交換しなくて済むというのはかなり魅力に移るわけです。
 もっとも、初期の製品は40W 相当未満という明るさの足りなさがあり、実用性は遠かったのです。家庭内の室内照明として使うには、最低でも 60W は必要です。また、大きさや発熱も、既存の電球用器具が使えないといけません。長さが長すぎたり、太すぎたり、発熱が多すぎてダメだったりしてはいけません。最も私は LED は発熱するイメージが皆無だったため、発熱が問題になっているというのはかなり意外でしたが…。
 今年の 8 月から 10 月にかけて、各社から新製品が出て、明るさも 60W 以上の物が出てきました。大きさも電球と比べてそれほど大きくなく、発熱もだいぶ押さえられているとのことです。これはこれで興味がわいてきます。しかもテレビで 「AQUOS にも使われている LED 技術」 と言われてしまうと、興味をそそられてしまいますw
 ところが、私が興味を示さなかった一番の原因、それは、うちの照明は 「電球」 ではなく、ミニクリプトンなどの一風変わった物だからでした。大きめの電球も普通の丸い電球とは違う形 (レフタイプというらしい) だったので、てっきり LED 電球に交換するのは無理だと思っていたのです。
 テレビを見ていたら、リモコンで色(電球色〜白色)や明るさを変えられる電球型 LED が出ていたので興味を持ち、ふと、どうなっているのか自分のところの照明を確認してみたのです。私は、照明器具に関しては事実上知識ゼロで、電球のネジの部分の大きさに規格があることも知りませんでしたw
 大きさを実測し、それをメーカー(SHARP)のウェブサイトにある LED 電球の大きさと比較し、そう大きく変わらないことを確認しました。これなら、うちにも装備できるかも知れません。LED 電球は大抵(丸い部分を上にしてみた場合)上半分くらいしか発光せず、下半分は放熱版などになっていたりします。これは、どうせダウンライトに使ううちの場合には上半分は無駄になるため、かえって好都合でもあるわけです。
 というわけで、ヨドバシに出向いて LED 電球を査収してきました。メーカーはどこが出しているのか正直わかりませんでしたが、AQUOS にも使われている LED 技術、というフレコミに刺激されて、SHARP に決めて店頭で査収しました。おひとつ 3800円程度。一応他のメーカーも見てみました。LED 照明と言っても、LED が複数ひとつの電球に入っている形なのですが、それが粒状感として見えてしまうメーカーやモデルは却下です。

 その中で、東芝Panasonic が良さそうでした。ただ、Panasonic は形が電球っぽくなく、自宅のダウンライトのケースに収まるか不安だったのでこの時点では興味なし。東芝はそれなりに良さそうですが、注意書きに狭いところへの取り付けが悪そうなことがしっかり書かれていたのでやめました。もともと、隙間に余裕はないと思っていたのでチャレンジなのですが、元から隙間について触れられていると避けたくなります。

 とりあえず SHARP の LED 電球 600型 の電球色を 2 個査収です。これを、バスルームの着替え場所に導入します。ここには、現在レフタイプの電球が 2 個使われていて非効率なのです。それを LED に変えると、お風呂に入っている間もつけっぱなしにすることができます(消すと暗くなって、寂しい感じになる)。右の SS が、交換した LED 電球です。電球という感じw
 あとは、トレイも同じ仕様ですが、もしこれがダウンライトに収まらなかったら大変なので、とりあえず 2 個買って様子を見て、問題がないようなら、トイレ分も査収するつもりです。LED 電球や電球型蛍光灯を買う上で最初に問題になるのは、このサイズ問題でしょうね。
 他の廊下の照明などはミニクリプトンで、これは E17 という口金の規格らしいのです(普通のは E26)。この E17 はまだ Panasonic だけしか作っておらず、しかも運悪く店頭在庫がなかったため買ってきませんでした。そのうち買ってみたいと思います。
 さて、帰宅して早速交換してみました。思ったよりスペースに余裕があり、コレなら放熱に関しても全く問題がなさそうです。元々は 110mm だったレフランプにたいして、これは 114mm あるのですこし天井の面から出ますが、不自然さがあったり目立ったりすることはない程度なので問題にはなりません。まぁ、レフランプのおしゃれな感じからすると、電球っぽいので 「え? 電球?w」 というのがわかってしまい、安っぽく見えるかも知れませんけど。
 でもちょっと期待はずれが。それは明るさです。ちょっとだけ、暗い。最初一個だけ交換したときは同じに見えた明るさも、両方交換してみると、ちょっと暗くなった感覚があります。う〜ん、気のせいかしら、と思ってネットで見てみましたが…やっぱりそういう物のようです。60W クラスといっても、実際にはメーカーによってかなり差があり、impress の実測記事だと、この SHARP の物は 60W 電球の半分程度でした。実感では半分という事はありませんが、一割程度暗くなった感じです。
 一応実用性は全く問題が無く、今までの明るさが普通になったという感じです。薄暗くて貧乏っぽいとか、お風呂で歯を磨いたりするときに見えにくいという事は一切無く、あくまでレフ電球の時と比較して暗くなった実感がある程度です。それも、交換して明らかに 「あら、暗い」 と思ったほどではなく 「あれ? 少し暗いかなぁ…どうかしら」 という程度です。これを問題にするかは人それぞれ、微妙な問題ですね。
 とは言っても、ここはやっぱり女子力。私はメイクはまずしませんが、それでもお化粧をする洗面台が暗いのは何となくはずかしいです。実際にメイクをしなくても、明らかに ”メイクしません” という感じは何となくだらしなさに見えてしまうのでメイクをしなくても、ここをある程度の明るさにしておくのは必要なことの気がするわけです。それに、何事も明るい方が気分が良いのです。
 だからといってロールバックしてレフ電球に戻すほど暗いわけでもないので、当面はこのまま。むしろ、LED 電球にしても問題が全くないスペースだということがわかったので、リプレース計画をこのまま推進する方向で行く形になるわけです。そのため、リプレース用の他の電球が来るまで一時使う形になります。ちなみに、店頭で見たときはこの SHARP の物が、一番、旧式電球っぽさがある LED 電球でした。
 さて、帰宅してネットで調べます。以前の私を知っている人なら、調べてから買うでしょ? と思うでしょうが、最近はそれは避けるようにしていて、まず買ってみることにしています。なんというか、その過程を楽しみたいというか、ネットで何でも調べれば正解が出てきてしまう今、正解を歩んでばかりではわくわく感がないというのもあります。人に質問しないで、WikipediaGoogle 検索をするのは、何となくドライな世界になったと思っている点もあるわけです。
 というわけで帰宅して交換して、暗いと思ってから検索。その結果、次のことがわかりました。

  • LED 電球は今でも(旧式電球に比べ)暗い。60W 相当と言っても、実際には 40W くらいしか明るくなかったりして、普通だそうです。
  • メーカーによりばらつきがある
  • SHARP東芝以外でも意外とあちこちのメーカーが出している

と言うところです。そして、実測では東芝の物の中で最近出たタイプの物 (LEL-AW8L) が一番の明るさを持っているようです。これ、店頭で見たのですが、長さが 119mm もあり、SHARPの物に比べてさらに 5mm 長くなっています。確かに SHARP の 114mm は問題がないと書きましたが、裏を返せばギリギリ。左の SS の左側がレガシー電球(レフ)、右側が、LED 電球(SHARP) です。

 これ以上出っ張ると、やっぱり無理矢理間が出てカッコ悪くなります。そのため、スルーしたのでした。あと、お値段も約 4000円以下にたいし、これは 7000円以下と、倍までは行かずとも、けっこう高めだったのです。なので、明るくしたいだけならこの東芝の物にすればいいのですが、長さが断念です。
 そこで浮上したのが、目に入っていなかった Panasonic。電球とは違う形をしているのですが、ダウンライトとして使うには問題が無く、むしろ好ましい形状とも言えます。そして、長さはむしろ SHARP より短いのです。電球らしい 「くびれ」 はありませんが、すでに自宅に装備してみてくびれはなくても問題がなさそうだったので、これも導入してみて良さそうなのです。
 何が違うのかというと、明るさ。記事によれば、先述の最新の東芝物の物 (100W電球相当) は 800lx だったのが、これは 580lxだそうです。そして、私の買った SHARP の物は 396lx です。これはなかなかの差。というか、数字で見るとかなり暗いです。実感ではそこまで開きはなかったのですが…。
 というわけで、Panasonic の物を導入すれば、少しですが明るさがアップして、しかも、出っ張りがなくなるという一石二鳥。電球らしくない形も、ダウンライトですから中に入ってしまい外から見えませんし、そもそも入りさえすれば電球らしさにこだわる気もしません。この パナソニック「EVERLEDS(エバーレッズ)」 に交換することになります。
 ところで、交換された SHARP の LED 電球はどうなるの? というと、ひとつはトイレの物と交換されます。そして、もう一つは、実家のトイレと交換する予定です。また、今まで使われていたレフ電球(レガシー電球)は、残った場所(滅多に使わない場所)の電球の予備として保管されることになります。貧乏性なので、性能が劣化して折らず、まだ使える物を捨てる気にはなりません。
 あとは、同じく Panasonic の LED 電球のうち、口金が E17 の物も、入荷次第査収して、テストしてみたいと思います。液晶で培われた…という売り文句に影響されて SHARP 一色に染めたかったのですが、普通の E26 も小型の E17 も意図せず Panasonic に塗り替えられそうです。
 そんなわけで、とりあえずランニングコストの安く技術の香りがする LED 電球に交換してみると良いと思います。そのうち EL 天井とかで、照明器具や電球という物自体が無くなるのかも知れませんが。