大失敗

 PSP で録画した物を消化してるという話は何度か書いていますが、ここのところ、この前 21時枠でやっていた映画の 「シュリ」 というのを見てたりします。いわゆる韓国の映画なわけで、基本的にあまり好きじゃないので、単なる 2時間映画の PSP での再生実験の意味あいが強いわけです。
 今日は帰りをわざと電車にして PSP でシュリをみながら帰ってきたわけですが…ごめんなさい、この映画、かなり予想に反して面白いです(^^; 結局、電車を降りてもずっと見続けてしまい、最期まで終わらせちゃいました。
(→続き)
 アクションシーンも日本とは比べ物にならないほどよくできてます。テレビドラマと比べるのもなんですが、アクションといえば去年西部警察なんか放送されたわけで、それと比べると、天地の差です。予算とかの違いもあるでしょうけど…シュリが普通に US の映画なんかと同じように違和感なく楽しめたのに対して、西部警察は 「あぁ、日本のだね〜」 という感じで、しかも昔の西部警察よりダメだったので、その記憶は意外と濃いものだと思いますw
 中・後半を過ぎる頃には 「え、韓国ってこんなによく映画作れるの?(汗)」 と完全に目からうろこ状態。むしろ、こういう単純でヘタに設定の込み入ってたりしないアクション映画でここまで楽しめる映画を作れるのは、Hollywood 以上かも、と思ったほどです。
 アクションシーンはカメラワークやシーン内での話のもって行き方もよかったです。それ以外にも、全体を通してみてストーリーも途中に飽きやダレが全くといっていいほどなく時間いっぱいしっかり楽しめた感じですね〜。アメリカのアクション映画と比べて語ることができるほど、よく動けていました。
 それに加えて、アメリカ映画でありがちな、主人公と恋人の恋愛の構図のしつこい描画とか、女性相手では相手が敵でも最終的には仲良くなってしまうというシラケがちなストーリーとか、かわいい女性と子供は絶対死なないという法則もなく、現実的に、重い部分は重く、軽い部分は軽くよく描けていたと思います。
 元々、テレビでのこの映画の予告編では 「北朝鮮の女スナイパーと韓国の情報員の男の愛を描く」 という、あとから考えてみたらすごいネタバレじゃん(汗)というキャッチがついてたのですが、それを見て私は 「あぁ、情報員と女スナイパーが何かのきっかけで出会って恋愛関係になってしまって、それが許されない恋だとか、そういうくだらない内容なんだろうなぁ」 と思ってたわけです。アメリカ映画でよくあるパターンだしね。それにラブ・サスペンスとか書いてあったから。
 アメリカ映画でも日本のドラマでもそうですが、かっこいい主人公!といったら、必ず、そのうちどこからかそこそこ美人な女性が出てきて、結果的にそのうち仲良しになる、という、まるで California 州法でそうしなきゃいけないと定められてるんじゃないかしらと思うくらいに定番のパターンは見ていて毎回ガッカリさせられるのですが…。
 でも、そんな話はほぼ皆無。というか、当初予想してたのとはぜんぜん違う話。この映画にはそういった部分が全くなかったのが良いです。もちろん、男性も女性も出てきますが、定番として相棒になってそれが恋仲に、とかそういうのはありません。この辺は、ラブシーンに厳しい韓国だからこそこうなったのかなぁ。もしそうなら良いほうに作用したのかもしれませんが、映画全体として引き締まった出来になっていた、というわけです。
 映画でもドラマでも、単に表面的な人気を取るなら、まずは男女のコンビですからね。かといって、男ばかりの男映画でもないし、女ばかりの女映画でもなく、それぞれがごく自然な形で個性を持って溶け込んでるのが良いです。恋愛シーン(や設定) で人気を取ろうとする日本やアメリカの映画とはかなり違う感じです。
 ストーリーとしては、暗殺者の女性の正体について、中盤にすぐ 「まさかそれはベタだよね」 と予想させたのがまさか本当にそのままというベタさ加減はありましたけど、それがしらける形ではなく、昔からあるベタな設定でありながらとても綺麗に描けていたので、そのことによって映画の質が落ちることはなかったし、ラストシーンに至るまでそこは 「上手に」 使えていたと思います。
 男女問題を絡めるところ以外にも、日本でもアメリカでも、ヘタに精神論に走るシーンがあったりするわけで、それもそれで結構げんなりするわけですが、それがなかったのもよかったです。復讐に怒り爆発で、とか、根性で犯人を見つけ出して…とかの押し付け要素の多い部分もなかったですし。
 かといって、そうすると全般的に内容が薄く途中居眠りしそうな…というイメージになりそうですが、むしろ恋愛や精神論を爆発させてる 「熱い」 映画と比べても、冒頭で書いたとおり最初から最期まで、ダレることなく見続けることができたので、そういったヘタな客寄せに頼らずよく描けたなぁ、と思ったりもするわけです。
 言うまでもないですが、ラスト付近ではしっかり泣いてしまいました。これは間違いなく危ないな(汗)と思ったので、ラストはおうちに戻ってから一人でコッソリみた感じです。
 う〜ん、韓国の映画だからと、かなり甘く見ていたのですが、大失敗でした。韓国というと、個人的な印象の他に、猟奇的な彼女とか、あの変のダメな映画のイメージが多かったのですが、この映画はよくできてるなぁ、と、ちょっと見直してしまいました。某4様のドラマなんかは演技の下手さ加減がかなり出てますが、この映画は演技も良かったし、問題なしでした。MMORPG では抜かれてるイメージもあるし、映画でも日本は完全に抜かれてる気がします。残るは、アニメだけど…これも危ういといわれてますし。
 もっとも、面白かったし、良い評価をつけてますが、もちろん考えてみると突っ込みどころは沢山あります。ただ、それを作品を見てる途中に引っかかってすっきりしなくなるような描写じゃないので問題がない感じです。それが、上手にウソをつく、という映画の基本であり 「映画としてよくできてる」 点ですね。
 矛盾や設定に突っ込みを入れてたら、戦闘シーンなんか見ていられませんし(^^;。ただ、いわゆるアクションシーンは多くないのも、いいところです。アクション映画はすきなのですが、いわゆるアメリカ映画で多い 「1:1での対決」 で時間を割いてる場面とかは好きじゃないほうです。そういう意味では 「熱いアクション映画」 を求める人には向かないです。
 そういう点も考えていろいろトータルで見ると、確かにこれは恋愛映画です。私も、こういう恋愛の映画なら、沢山見てみたいですね。涙がいくらあってもたらなそうですがw 北と南で 「許されない恋」 の設定がありますが、決して、その禁断の恋を誇張して描写するようなシーンがないのがよかったです。アメリカ映画や日本映画なら、間違いなく主人公が葛藤するシーンとかが長々と作られてたり、「北も南も関係ない、キミを愛してるんだ!」 とかのセリフを吐かれたりして、間違いなくうんざりさせられてたと思います。
 で、肝心の動画再生の実験なですが 「携帯動画変換君」 で設定できる一番最低の設定で 200M ちょっとのサイズになりました。512M のメディアを使っているのですが、MP3 なんかも入っているので全部動画に割り当てることはできず、だいたい 300M くらいが限度なのです。本当は、QV4 くらいの画質でしたかったのですが、400Mくらいになってしまったので断念した感じです。
 さすが最低の設定だけあって、動きの激しいシーン (逃走&おっかけシーンとか) では画面中ブロックノイズだらけになりますが、それでも内容がわからなくなるほどひどい感じでもありません。じっくり画質で楽しむというのには向かないですが、一応何とか実用になる範囲でしょうね。1G のメディアが出たら、QV7 での保存もできそうで、そうなるととりあえず画質の心配は無用になりそうな、そんな感じでした。