独房の中心で想定外を叫んだモノ

 LD 関連は書いているときりがないですし、あまり思い話題ばっかりというのもイマイチなので、まとめて簡単に書いておきたいと思います。といっても、一般的な話題はすでに乗り遅れてしまい、出尽くした感があるのでいまさら私が書くまでもないわけですから、ちょっと外れた個人的感想だけ書いてみたいと思います。
 今回の件で、個人的にさびしい感じがするのは、世間の反応として 「所詮、若者がいい気になってやった事業なんてろくなもんじゃない」 という風潮です。ましてや、ノーネクタイのカジュアルルックで記者会見をしたりする事は、当初からいろいろ批判はあったものの、結果的に成功してる相手だったのでそれがまかり通ってたわけです。こうして容疑者となってしまうと 「やっぱりビジネスはネクタイを締めてスーツを着て、誠意を持っておじいちゃんにやらせる」 なんていうダメな日本企業体質が復権してしまう風潮があるのがイマイチですね。
 私はホリエモンは好きではなかったとはいえ、彼のスーツを着ない姿勢、古参のお年寄り連中、既存経済界の 「重苦しい結界と、なぁなぁクラブ」 に遠慮しない発言は好感を持っていました。その行動自体と、今回の犯罪行為と思しき事には直接関係がないのですが、体裁重視のお年寄りや、けちをつけたがるタイプの人は 「所詮、スーツを着てきちんと対応しないようなビジネスマナー(←…w)のない連中はダメなんだよ」 と、論理的つながりゼロに批判材料にしたりしてそうですね。
 確かに彼は犯罪者となりましたし、あくまで個人的価値観として LD は好きじゃなかったので、その無茶なやり方が表ざたになって叩かれたのはいいことだとは思いますが、彼のやった事の中でよいことはいくつかあるわけですから、それは日本経済は素直に吸収して欲しいと思います。体裁にこだわらないこと、法律に関してはきちんと運用する事(守らせることと同時に、法律に合致している取引は合法だということ)。
 あきれてしまうのは、法律に関係ない部分でのたたきをしてる人たちです。今回、粉飾決済などの違法行為は当然叩かれるべきですが、そうでない部分はたたくべきではありません。違法でもないのに、法律ギリギリでずるいとか、やり方が遠慮ないとは言いますが、違法ではありません。違法でない部分をたたいて 「紳士的に」 というのは、むしろ大人としての自覚が足りないと私は思います。違法でない以上、違法ではないのです。この辺のけじめをしっかりしないといけませんね。マナーとか言ってる時点で、考えが甘いんじゃないでしょうか。海外からは相当笑われていますよ。要は 「一人だけうまいことも受けて突出しないでね」。出る杭は打たれる国家政策でしょうか。
 さて、もう一つの問題。彼は、社長を辞任しました…。辞任?係争中でありまだ容疑は確定していませんが、仮に有罪だとされた場合、通常、この手の犯罪行為を行えば当然のように「懲戒解雇」 ではないでしょうか。例えば、100円ショップでエンピツを万引きしたり、電車で痴漢をしても懲戒解雇になるわけで、それなのに、ここまで大規模で悪質な犯罪行為を犯しておいて、懲戒解雇(免職)ではないというのはかなり問題だと思います。
 すなわち、退職金に相当するものや、各種取り扱いが大幅に違うわけです。会社勤めをした事がある人なら、懲戒解雇と依願退職の差は、そのイメージ以上に天地の差である事はご存知だと思います。こういった犯罪行為をしておいて、依願退職である辞任扱いというのは…。まぁ、実際のところ、懲戒解雇などはあくまで会社による内部的な処罰であり、外部が口を出す法律の問題ではありませんので、会社、または株主がいいと言えば、クビにするどころか退職させる必要もないわけです。
 なので、懲戒解雇でない事がおかしいと、周囲でいくら言おうと、会社がいいといえば、どんな重犯罪者であろうと問題がないわけですよね。ホリエモンは、自分が社長である上に、筆頭株主ですから、誰も阻止できず、いかようにもできるわけです。もし彼の 「上」 に立つ人がいたら、懲戒解雇も言い渡せるでしょうが、それがいないわけです。
 通常なら麻薬を使って逮捕されたような人間は、懲戒解雇となり、社会的に制裁を受けるものです。しかし、アイドル歌手なんかでは普通に復帰して CD 出したりするあたり常軌を逸してると思うわけですが、ホリエモンの場合も、懲戒解雇ではなく、筆頭株主のままでありホクホクの自由意志による退職扱い。似たような感じで、やっぱり常軌を逸した人たちなのかもしれません。私からすると考えられません。
 再就職をする場合には、当然前科は大幅な足かせになるわけですが、彼は自分が筆頭株主である以上、今回の逮捕は 「LD という自分の財産がちょっと目減りした」 程度の物で、彼の人生にとってほとんど影響を与えないでしょう。すなわち、彼にとってはこれくらいのことはたいした問題ではなく、長い目で見たら、ちょっとした失敗。株価が一時的に下がるようなもので、彼のやり方、考え方は、特に変える必要を感じないんじゃないかなぁ。変えるとしたら 「今度はもっとばれにくい方法でうまくやる」 事くらいかと。
 現在、いろいろ叩いてる人もいるけど、会社的にはどうなんでしょうね。彼が有罪になり、数年の刑期があったとしても、出てくれば社長に返り咲く可能性も充分あるわけだし、叩ききれてない感じがぬぐえません。彼には裏の力が少ない分、マスコミを抑えきることもできませんのでそっち方面は叩いてるでしょうが、coreになる部分で敵対してなかった人たちは、果たしてどうか…。
 これも 「法律」 ではありますが、筆頭株主であり、社長であった彼を、本当に反省させるような痛手を負わせる事はかなり難しいでしょう。私は生理的に好かない相手でしたが、それとは関係なく 「理論的に」 叩いて何か方法を見つけて欲しいものですね。過失によって発生した犯罪行為は大目に見てあげても構いませんが、意図的に行った犯罪行為には、もっと厳しく処罰を行える体制を、日本は整えないといけません。
 …省略しすぎてあまり意図が伝わらなくなっちゃったけど、追い追い、関連するグルグルなんかで突っ込む事で触れていきましょう。