総務省のバナー広告

 Yahoo! Auctions に国内で使用すると電波法違反になる無線機器が出品されていますが、最近 Yahoo!Auctions のバナーに総務省が許可を受けていない無線機は電波法違反になるという趣旨のページにリンクを張ったバナーを出しているようです。「無線機の購入には技適マークをチェック」なんて書かれていて、ここへリンクされています。技適マークとは何かしら?みたいな内容です。
 周知することは良いことですが、これってどれくらい効果があるのでしょう。そもそも、この手の無線機を落札する人は違法であることはわかっていると思います。そういう違法であることを知りながら意図的に利用してる人に対して、この手のバナーを出しても効果が見込めません。ただ、中には 「違法らしいけどよくわからない」 程度で利用している人も結構いると思います。
 明確に違法であることを示す何かを目にしておらず、違法だと聞いたとか、違法らしいといわれたとか程度だと、人間自分に無難なほうに考える癖がありますから、あまり危機感を感じなかったりします。そんな人が、このバナーを目にすれば 「やっぱり 100% 違法なんだ…」 と気がつくわけで、良心が残っていれば、使用を中止したり、落札することをためらうでしょう。
 ただ、この問題は、売る側にまったく責任がない現行の法システムにあるわけです。アマチュア無線の無線機も、免許を提示することなく誰でも購入できてしまうのも同じような問題です。国内使用が違法である無線機を販売する販売店・販売者にも罰則を課さないと意味がないといえるでしょう。もちろん、海外で使うために買う…といういいわけも成り立つでしょうが、需要を考えればかなり少ないわけで、それなりに面倒な手続きを踏まないと変えないようにする必要があると思います。
 オークションに出るのは、それなりに需要があるからなわけで、買う人がいるということ、つまり、使っている人がいるわけです。違法であることをしっかり警告し、それに応じた取締りと罰則の制定・適用をしっかり行ってほしいですね。
 ちなみに、何の話かというと 「FRS/GMRS」 という方式の無線機です。これは、海外にある無免許で使える簡易トランシーバーの規格ですが、国内では認可されていません。認可されてなくても、別にいいじゃん、認可されていないビーフジャーキーみたいなもので、単に許可されてないだけで別に自分が使う分にはいいでしょ、みたいに軽く考えている人がいるかもしれませんが、国内で使えないというのは、その周波数は他の業務で使用しているということです。
 認可されていない無線機を使うということは、他の無線局のために割り当てている周波数を勝手に使うという事であり、それは要は、他人の土地に無断で侵入して、家の中身を勝手に引っ掻き回してるのと々ことで、かなり重い罪です。電源を入れてみて、誰の声も聞こえないから使っていないと思ったら、それも大間違いです。周波数や偏重方式にはさまざまなものがあり、手持ちの無線機で聞こえないからと、そこを誰も使ってないとは限りません。というか、実際、周波数はどこも逼迫していてあきなんて早々ありませんので、間違いなく使ってると思ったほうがいいです。
 どのくらい迷惑か? というと、自分が携帯電話を使って話が盛り上がっているときに、しょっちゅう突然切れたり、まったくかけられないことが多発すると思っていただければわかると思います。携帯電話とは実際に周波数が違うので、携帯電話への影響はありませんが、携帯電話と同じように、その周波数では通話やデータ通信などに電波を使用している人がいますので、その人たちにそれと同じ迷惑をかけることになり、場合によっては、その周波数は、警察や消防、軍事、ガス・電気などのライフライン等重要な通信に利用されていることがあります。
 「さすがにそんなことはないでしょ」 なんて甘く考えていても、たとえライフラインではなかったとしても、無線局の周波数が割り当てられるということはそれなりに何らかの理由があって割り当てられていますのでかなりの迷惑になるのは間違いありません。どうせ問題ないでしょ、的に甘く考えて違法無線機を利用してる裏で、困っている人がいるわけです。