ひぐらしの

補完完了。全体的にはなんだかぱっとしないお話です。ぐぐるしてみれば、たぶん解説とか詳細なお話が見れるのでしょうが、とりあえずこれはこれでそっとしておくとしましょうかw 内容的にはそこそこの楽しめた感じといえます。
 キャラなんかは、Fate シャナ、月姫なんかのある程度高度なアニメを見ていると、ある意味 「なつかしい」 感じのする、アニメというかマンガ的な感じがするのは、NHK 3ch のお子様向けアニメに近いものがあるという感じを得ました。サトコさんとリカさんなんかはもう…アニメのためのアニメという感じでしょうか。"みーちゃん" もそんな感じがしますね〜。軽い感じの絵です。
 さて、その軽い感じのキャラデザとは相反して、まるでストーリーの複雑さがキャラデザのエネルギーを吸い取ってしまったかのようなw謎さです。わかりにくいのは、いったいどの話とどの話がつながっているのか、という点です。
 最初のお話は次のお話とはどうもまったく違うようです。ところが、2 つめ "綿流し編" と 3 つめ "編" は、本編に対して視点を変えることによる謎解き編という形で見ることができ、これはこれで良い感じです。でも、祟殺し編(サトコの話)はまったく関係ないストーリーですし、他のもまた違う感じです。ただ、最終話(リナの話)だけは少しそれまでのストーリーにかかわる部分があるような気配もありますが、結局これって他のは全部夢だったみたいな落ちなのでしょうか。謎です。結局このアニメのあらすじはわからずじまいです。
 これって、ふと思ったのは、時間つぶし?みたいな視点です。私も昔小説を書いていたときに、出来上がった一つのストーリー以外に 「このとき実はこの人がこうだったら」 「この人にこういう役割をさせてみたら」 みたいな 「アナザーサイド」 を考え付くことが良くあります。その選択肢の中から、良いと思われるものを選んで 「本編」 とするのですが、他の設定も捨てがたく、同じキャラ、同じ舞台設定の中で、違う流れになった場合、また、キャラたちに違う動きをさせた場合、違う状態を起こした場合を残しておきたいと思うこともあったりしたわけです。
 例えば、王様の娘さんが騎士団に入団して始めの戦いで遠い戦場に送られて活躍する話…を書いてみたものの、初めての戦場を過保護にされて近場の小さい戦場で済まされてしまい不満を感じてしまう話もいいなぁ、と思って、両方書いてしまうとか。その場合、完成品にするには、時間軸が同じである以上同一の作品に書くことはできないわけですから、通常は片方はなかったことにして捨てるしかありません。けど、もったいない。その、もったいないのを捨てずに別の編として編みこんだ感じがするのが、ひぐらしのなく頃にという感じがします。
 最初にそれがわかっていないと、1編目が終わった後、主人公が死んでしまい 「?!」 となったあと、みんな生き返っている 2編目を見て私みたいに混乱してどうなってるの?となってしまう人が多いのではないかと思います。その辺、もう少し、作品中にそういう作品であることを匂わせてくれても良かったかもしれません。
 さて、この作品で一番印象的だったのは、やっぱり人それぞれの豹変ぶりでしょう。やさしくさわやかに話をニコニコしてると思えば、あるときは突然冷たく残酷な口調で話しをし、まさに別人です。怖いです。この辺は、人の裏表の怖さを感じさせます。
 でもこれって、現実世界でも無縁じゃないんですよね。人によってかなり態度が違う人が現実にいたりしますし。仲良く楽しそうにニコニコ話してるから仲がいいのかと思えば、裏では「あの人最悪だよね」 と悪口を言ってたり、嫌っていたり。本当のところはどうなのかわからない、日本人はそういう性質がかなり濃いと思います。キライなのに、ニコニコ話をするあの感覚が私には理解できません。
 もちろん、顔を合わせたからといって厳しい顔をするかというと、そういうわけではありませんが、でも、例えば、必ずしも自分が会話に参加する必要がないようなものでも話に付き合ったり混ざったり、話したくないなら返事だけすればいいのに、ちゃんと自分から質問をして双方向の会話を成り立たせ炊いたりするのは、私から見るととても不思議なわけです。
 仲がいいのか悪いのか、私から見たらさっぱりわかりません。怖いです。そういう面で、まったく信用できないところがある人が多少なりともいると肝に銘じておかないといけないのかなぁ、と思うのが残念なところですね。ひぐらしのなく頃にの豹変さ、裏のあるところなんかは、アニメの世界ではなくて現実社会でも色濃く存在しているのではないでしょうか。