職業差別

 職業差別というのが正式な用語かわかりませんが、何らかの職業を指さして、その職業に就いている人全般を悪くいうのは、よくない、と言うのがあると思います。これは時代が進むにつれて、時代がより高度になっていき、そういった職業差別をする事がより恥ずかしい事だという意識が増えていき、そういう事をする人はかなり減ってきたと思います。
 それはそれでよい事なのですが、ちょっと疑問がある部分が見られます。それは 「職業差別の職業差別」 がある気がするのです。本来、職業差別はいけない、というのであれば、当然どこの職業であっても平等に差別してはいけないはずです。もし、差別して言い職業としてはいけない職業があるとしたら、その時点で、それが差別になりますからね〜。
 でも、現実問題、職業差別の差別をよくされている気がします。例えば 「工事現場で働いてるような人は…」 なんていうと、まともな親なら子供がそんな発言をしたら職業差別だからダメだと怒られます。大人になってからも、そういう発言をすれば、この人は教育程度の低い人だと思われて、ランクの低い人だと思われてしまうのは当たり前です。
 ところが、どうでしょう。そうやっていろいろと差別されがちで、差別してはいけないと言われる職業が色々とある一方、差別されても何も言わない物が結構あります。例えば、政治家。まぁ、政治家というのが職業なのかどうかは微妙かも知れませんが、国会議員や一般の政治家、そういう世界の人という事で広義の職業です。
 それなのに 「政治家は信用できない」 とか 「政治家は悪い事をしてる」「お金が…」 のようなステレオタイプでの職業差別的発言をしても、誰もとがめません。また、職業ではなくても、環境、例えば 「公務員なんて(ry」 のような発言があっても、やっぱり誰もとがめず、普通の大人が普通に話してます。
 他にも、お医者さんとか弁護士についても同じように悪く言われる事がありますが、これらの職業を悪くいうことが叩かれる事はあまりありません。悪く言って叩かれる職業と、言っても叩かれない職業があります。とてもおかしな事です。私も、私の職業についてあれこれ言う人が世界中にいますが、それって職業差別じゃないの? と思います。しかし、それを職業差別だという批判の声は一度も聞いた事がありません。
 もちろん、他人を悪くいう要素がある内容については、何であれ多かれ少なかれ、例え事実であってもいう物じゃないという風潮はありますが、明らかに禁忌とされている物、いうと世間から叩かれる物と、そうでない物は結構別れてると思います。
 また、職業差別をしてはいけない、というのは、先入観で決めつけて悪く思ってはいけない、というのも含まれていると思います。それは、その職業名を聞いただけで、悪く思ったりよくないと考える、そういう固定思想はよくないという事でもあるわけです。散々そう言っておいて、子供が高校を卒業後進路を決める時に 「工事現場でドリルを掘る仕事に就きたい」 というと、反対したり 「何を考えてるんだ」 と怒る親は少なくないような気がします。言ってる事とやってる事がなかなか違うわけです。
 他にも、IT 業界なんかも昔叩かれましたね…。外資系企業も。どちらもステレオタイプで叩くのに誰もとがめる人がいませんでした。不思議な物です。