PSP goがやってきた

PSP go と純正ポーチ

 発売日に買いたかったのですが、ルカさんが 「時間がなくて買いに行けない」 とかいって買いに行かなかったのでなかなか入手できませんでした。そうして、11月5日にやっと買ってきたとの報告があったので私も発注しました。発注先はルカショップです。ヨドバシなんかよりも(ポイントを加味しても)24,650JPY とかなり安かったので査収しました。あとは、Memory Stick micro の 16G (6,780JPY) を査収します。
 ルカショップは Amazon なので普通にお急ぎ便が使え、翌日には到着するのです。通販は、送料無料、クレジットカードが使える、そして、即発送、という三つが揃っていなければいけません。これが揃わないと 「通販は遅い/カード使えないし/送料かかるし、明日ヨドバシに寄って買ってこよう」 なんてことにもなります。もちろん、お値段が一般店舗と同等である必要もあります。
 さて、帰宅すると宅配ロッカーに放り込まれていました。入れ物は小さく、16G と赤で書いてあったりします。こんなに目立つように書くという事は、これはすなわち、32G のモデルもすぐに出すという事なんでしょうね。売るときに間違えたりしないように、目立つようにしているんだと思います。あとは、メモリ内蔵なのを知らずにメモリカードを買って、知らなかったとクレーム返品するフールプルーフの意味もあるんでしょうがw
 届いて開封し、充電します。まずは、現行の PSP2000 で使用している Memory Stick Duo の中身を Memory Stick mirco にコピーすることから始めないといけません。うっかりしていたのは、てっきり PSP 2000 で使っている Memory Stick Duo は 8G だと思い込んでいたので、容量が倍になると期待していたのですが、既にこちらも 16G を使っていました。これを PC でコピーしてあげる必要があります。ただし、一部のファイルはコピーしてしまうと Magic gate かなにかの処理に問題を起こしてしまい、お出かけ転送なんかが出来なくなってしまうので、一部のファイルは転送しないようにします。
 そのため、次の手順でコピーします。

  1. メモリースティックの中身をPCにコピー
  2. メモリースティックに "MPE_RROT" フォルダ、"MEMSTICK.IND"、"MSTK_PRO.IND" 以外のフォルダ・ファイルをコピー

これが結構時間がかかります。また Vista のファイル転送の問題で、コピーしている途中で 「ファイルが見つかりません」 というエラーがよく出ます。これは大きなファイルサイズの物をコピーするときに顕著に発生します。こまったものです。
 さすがに容量が大きいだけあってそれなりに時間がかかるので、その間に充電、という感じです。充電が終わったら、Memory Stick micro をセット。あまり TransFlash …micro SD と差はないように見えます。フタが結構弱い感じでなんだかしっかり閉まらないのが少し残念です。
 そして、その Memory Stick micro に、Image Converter をつかって動画を転送し、動画プレイヤーとして出来上がりです。壁紙なんかも、コピーされたメモリスティックに入っている画像ファイルを設定します。本体のメモリは…何に使うかは後から考えますw 驚いたことに、古い Memory Stick に入っていたゲームもちゃんとそのまま(本体認証を PlayStation Store で行えば) 使えました。
 これに関しては、どうせコピー対策でてっきり再ダウンロードになると思っていただけにびっくりです。しかも、古い PSP でもそのまま遊べるようです。アカウント一個につき何台まで、という数に制限はあるようですが、それでも 2 台だけでも同時に使えるというのは、SONY さんはユーザーの使い勝手を考えてくれてると、見直しました。
 さて、誉めてみましたが、やっぱりまずは問題点です。新しい物を買うと大抵は、最初に問題点の洗い出しをします。そうしないと、それが本当に気に入っても、問題点があるような気がしてしっかり気に入ることができないからです。なので、最初はよくも悪くもまずは欠点探し。逆に、どう考えても悪く嫌いになりそうな物とつきあわないといけない場合は、少しでも良い点を探して気を楽にしようとするので、まずは誉めていきますw
 買う前からわかっていたことですが、欠点は 「バッテリの交換ができない」 という事と 「USB 端子が独自になった&充電端子はなくなった」 という点です。UMD が無くなったというのは欠点というか、単なる仕様変更なので挙げるまでもないとして、それら二点の変更は結構残念です。特に前者は、バッテリが寿命になったら本体を捨てるか、もしくは高い送料と技術料を払って、SONY に交換作業をして貰うしかありません。もったいない…。
 後者については、現在、スマートフォンや外付けの USB 機器 (HDD や USB 単三充電器など) に使っている普通の USB ケーブルが使えないのが困ります。普通の USB ケーブルを一本持って行くだけで、手持ちの殆どの機器が充電できるわけで、これは日常の行動や、公共交通機関を利用しての旅行で荷物を減らすのに重宝します。
 携帯電話 (FOMA) なんかも、USB miniB を FOMA に変換する小さなコネクタがあるので、それを使っています。従って、存在する 「ケーブル」 はこの USB ケーブルと、あとは巻き取り式の LAN ケーブルだけです。以前の PSP はこの巻き取り式 USB ケーブルについている丸形の充電コネクタを使って充電端子から充電できていました。
 SONY お得意の 「独自規格」 で専用形状のコネクタですから、付属の純正ケーブルを持って行かないと PC と接続できませんし、この端子一個で充電も兼ねているので充電もできません。充電は、PC と接続し、PSP 本体を操作して 「USB モード」 にすると、USB 電源として充電されます。自動で USB モードになる設定もありますが、いずれにしても本体の電源が入っていないといけません。
 あとは、付属の純正 AC アダプタに純正ケーブルをつなげば、本体の電源を入れたり USB モードにしなくても充電はできます。付属の純正 AC アダプタは、USB A 端子がついていて、そこに USB ケーブルを挿すと給電するという、モバイルクルーザーとかと同じ 「電源供給するだけの USB 端子を持った AC アダプタ」 です。
 何にしても、純正のケーブルを持ち歩かないといけない…これは不便です。職場と自宅と両方で使いたい場合、どこにでもある USB ケーブルを使う事はできず、専用のケーブルが必要になるわけです。買わないといけないコスト面もさることながら、荷物がまるまる一つ増えるのは問題です。家ではデータ転送をするつもりはなくても、充電する必要がある場合もあるでしょうから、ケーブルは家にもないと困るのです。常時持ち歩くには、固く、巻き取り式に比べて普通の太さの USB と同じケーブルですから、かさばります。邪魔。
 と、そんな事はある程度わかっていましたが、問題が発生したのは、出かけたとき。動画を見たりして電池を消耗させ、バッテリが切れます。当然、切れたって充電すればいいのですから、何も気にすることはなく PC につなげばいいのです。邪魔な純正ケーブルを我慢して持ってきていますから、USB さえあれば充電できるのです…。
 ところが、実際には罠があり 「本体が USB モードにならないと充電できない」 という事態に直面します。電池が切れたのですから、当然、本体の電源は入りません。入らないからこそ充電するわけですが、入らないことには USB モードにできない。USB モードにできないと充電が開始されない。充電しないと電池がないから電源が入らない。電源が入らないと USB モードにできず、充電が(ry…という「鍵は宝箱の中」 状態です。
 つまり、出張や旅行なんかの旅先で電池を切らしてしまったら、二度と使い物にならない、という事です。言うまでもなく、荷物を少しでも減らしたいので純正の AC アダプタなんか持ってきていません。モバイルクルーザーもあるし、PC もあるので、冗長な荷物を持ってくるのは今時考え物です。一般的な規格の USB があるのですから、そこから充電する時代です。しかし、こうなってしまったら、結局、帰宅してから、電源を入れなくても充電できる純正 AC アダプタに純正ケーブルをつないで充電するしかなく、それまで単なる邪魔な荷物になるのです。
 なぜ普通に USB から電源供給された時点で充電してくれないのかわかりません。PC だけでなく、モバイルクルーザーにつないでも充電は開始されません。おそらく、純正 AC アダプタには何らかの細工がしてあり、普通の USB と違い、USB モードにしてリンクアップしなくても充電開始するような判別ができるようになっているのでしょう。理解に苦しみます。
 メーカーさんが純正品しか保証しないのは昔から同じですが、純正品でしか動作しないようにするのはむしろ時代に逆行しています。だからこそ、SONY も USB 充電の機能が (半端ながらも) ついているのでしょう。しかし、USB モードにしないと充電できないという変な仕様や、純正 AC アダプタだけは電源が入っていなくても充電が開始されるような細工をしていたりと、困った道を歩んでしまっています。
 ほんの一瞬でも電源が入り、USB モードに切り替えられさえすれば USB から給電されて充電され、フルチャージまで行き着くことができるのでしょうが、その一瞬ですら、電源が入りません。結局、朝まで電池を休ませてみましたが、電源は全く入りませんでした。
 ここで次の問題が発生します。解決策として 「本体で充電できないなら、電池パックだけ充電すればいいじゃない」 というお話です。3V ランクの電池なら汎用的に充電できる物があり、それを持参しているので、ソレ一つでデジカメのバッテリや小型トランシーバのバッテリ、携帯電話のバッテリも充電できます。だから、PSP のバッテリも充電できます。
 しかし…PSP go はバッテリが取り外せない…。従って、バッテリパックを取り出して単体で充電することもできません。なので、単品での充電をしなかったとしても、身銭を切って新品の 「換えのバッテリ」 をヨドバシなんかで買ってきて交換する、という事もできません。唯一の解決策は "純正" AC アダプタに純正ケーブルをつないで充電するという方法だけなのです。
 いろいろと解決策を考えるのですが、PSP go のダメな仕様に、次から次へと阻まれる感じで、とても残念に思います。今時 「純正品を全部携行してください」 なんて時代錯誤も良いところ。もちろん、社外品の動作は保証しないにしても、純正以外の品物もつながるようにしておくくらいの配慮は欲しいです。
 私はいつも、UBS 5V が出力できるモバイルクルーザーを持ち歩いています。先述の通り、3V クラスのバッテリは、これに充電アダプタをつけるとほぼ全て充電できるので、電池切れも安心です。また、当然普通に USB ケーブルをつないで携帯電話や旧 PSP なんかを充電することもできます。さらに、USB 5V を出力できるリチウムイオンバッテリパックを持ち歩いているので、電源が確保できないところでもある程度なら手持ちの機器の充電ができるようになっています。
 仕方がないので、このモバイルクルーザーを、SONYPSP go 純正アダプタに置き換えて持ち歩けば、心配しなくて済むのかな、なんて思ったりします。大きさは増えてしまい邪魔ですが、背に腹は代えられませんし、出力も余裕があるので複数の機器を同時に充電できるかもしれません。
 ということで、PSP go 純正アダプタを常時持ち歩きのモバイルクルーザーと交代させて…なんて考えましたが…またしても、SONY の 「余計なお世話」 に邪魔されることになります。なんと、この純正 AC アダプタ、USB 差し込み口の所に突起が設けられていて、普通の USB コネクタは刺さらなくなっているのです。PSP go のケーブルには、この部分に切欠きがあり、突起をかわして挿さるようになっています。うーん…。
 序盤で 「ユーザーの使い勝手を考えた SONY さんはエライ」 というような事を書きましたが、これら一連の部分に関しては、全くユーザーの使い勝手を考えていないというか、むしろ意地悪されているとしか思えない状態です。できるだけ出かけるときの荷物を減らしたいと工夫するのを邪魔し、意地でも純正 AC アダプタと純正ケーブルを持たせようとしている感じ。いくら本体が小さくなっても、そんな物を持ち歩かされては、逆に重くかさばる結果になります。
 しかも、純正 AC アダプタは純正の PSP go にしか使えないような小細工までしてあり、モバイルクルーザーと PSP go の電源両方を持って行く必要が出てきてかなり無駄です。両方とも同じ 5V を USB の形状に出力しているだけなのに、SONY さんが小細工をするからかなり邪魔で無駄な物になっています。
 製品を作るとき、どうしても主観的になりがちで、自分のメーカーの自分の製品のことしか考えなくなりがちです。その為 「これくらいのアダプタとケーブルなら旅行にも持って行けるでしょう」 なんて思うかも知れませんが、実際にはパソコンやパソコンの AC アダプタなど他の物もいっぱい持っていくのです。その場合、昨日の重複する物はできる限り兼用させて減らそうとするのが 「実際の生活」 の行動です。
 しかし、メーカーさんは自分のことしか考えませんから、それ以外の荷物のことは気に止めません。まるで PSP go と AC アダプタ、ケーブルしか持って行かない旅行でもするかのような雰囲気です。ところが、実際には色々な荷物を持っていくわけで、持って行くデバイスの数だけ AC アダプタやケーブルを持って行く、なんていうのは昭和の時代のお話。時代後れもいいところです。それだけで荷物が埋まってしまいます。
 先ほど誉めたのは、ソフトウェアの部分。従って、こういうハード自体の使い勝手を考える人は、また別の部門の別の人なのでしょう。残念ながら、ソフトウェア部門の人は使い勝手を考えるセンスはあるものの、ハードウェアのこの手の部分を担当する人は、ちょっと考えが古い、囲い込み排他精神でユーザーの使い勝手は二の次、という方だったのでしょうね。
 実際の使われるシーン、使い方を考えれば、設計上の問題、欠陥と言っても良いほどの仕様です。おそらく、テストした人も純正の AC アダプタがコンセントに刺さりっぱなしで、いつでも純正 AC アダプタと純正ケーブルをつかって充電できる室内でしか使っていなかったんでしょうね。出かける先で荷物を減らしたくて、USB ケーブルしか持って行かないというシーンは想定していないのでしょう。バッテリが交換できない設計なら、なおさら柔軟に充電できるように設計するべきですが、それすら気が回らなかったのでしょうね。
 Bluetooth を搭載し、操作もしやすく小さくて邪魔にならず、私にとってはとても魅力的な製品なのですが、電源についてはとても残念でなりません。ファームウェアで仕様変更ができるならなるべく早いうちに、できないなら、早急に改良版を開発し、発売してほしいものです。