動画消化

24 season 7 〜#12-2

 手抜きになってしまいましたが、24 の season 7 の消化がすべて終わりました。というわけで、まとめて感想。まず、できばえは微妙。内容的には一つのシーズンとは思えない(ストーリー上は関係している事になっている物の)独立した事件が起き、それを解決して、また新しいことが掟を繰り返して進んでいきます。
 共通しているのはテロ行為ですが、ホワイトハウス立てこもりや細菌兵器などいろいろな手段で何かを起こそうとしたところを寸前で止める、といったことを繰り返すので、あたかも別のシーズン、作品のように思えます。以前からそういう感じはありましたが、この season 7 はちょっとその要素が強すぎですね。
 今回は合衆国大統領が女子…というか女性になります。大統領なのでそれなりのお年です。黒人の大統領を登場させたらそれが現実にもなったので 「今までの米国史にない大統領を描写する」 事が好きになったんでしょうかw もっとも、軽い感じのハリウッド好みの 「軽い感じの美人さん」 ではなく、米国の母的で頭の回転も速そうな方が演じていて、適任だと思います。
 途中の細部は置いておいて、やっぱり問題になってくるのは、このドラマ(に限らない気もしますが)の問題点である 「主人公優先主義」。主人公が、自分の家族を救うためなら平気で他の人を犠牲にします。今回は娘さんですが、自分の娘を救うためなら平気で他の職員を打ちますし、以前のストーリーでは救出部隊をおとりにして死者を出して、娘さんを無理矢理奪還したりもしました。
 人の命の価値は同じはずですが、彼の行動は自分の家族や恋人の命は、他の人何人犠牲にしても守る価値がある、という考えになってしまっています。US では家族愛は大切ですし、受けるのは事実ですが、ここまで極端な物は私にはなじめません。娘さんの命を救うために殺したその人は、娘さんより生きる価値がなかったのでしょうか。とてもがっかりした気持ちになります。
 これは主人公に限らず、先述の大統領も同じ。さすがに人の命は奪いませんが、最期のあたりで娘さんがしでかした問題行動を、大統領の権力で握りつぶそうとする選択を迫られるシーンがあります。その中で、お父さん(大統領の夫)も、娘のためなら何でもするべきだ、という進言をします。大統領なら当然不正は家族であってもただすべきですが、それよりも家族を守ることの方が大切という描写はかなりどきどきさせられました。あれで、大統領が娘さんの行動を隠匿し救っていたら、このドラマは最悪、という評価になるところでした。
 そもそもこの娘さん、かなり問題児で、かなり汚い手を使いライバルを陥れ、大統領の娘と言うことで得ている権力を使ってその不正の発覚を止めたり罠を仕掛けたりします。なんというか、かなり悪人。しかも、先述の問題行動が発覚し、証拠を突きつけられたら 「あなたの価値。辞任するから、あなたが引き継ぐといいわ」 といった内容のことを言います。
 悪事を働いてばれたら、ゲームのように 「はい、このターンは私の負けなので交代すればいいんでしょ」 という態度が、とても残念です。悪事を働いたり、汚い工作をすることを恥ずかしいと思わず、悪事を働くのは当たり前で、証拠を突きつけられるまで認めたり退く必要はなく、もし証拠を突きつけられても当然のように 「今回は負け」 という反省の色がない感覚は理解できません。
 生理的に苦手で、そういうことをしていた娘さんが、最期の最期で、母親である大統領にその権力で隠蔽して貰ったりしたら、それはとても残念な気持ちになるわけです。この人、選挙活動中もいろいろな汚い手を使ってなりふり構っていなかったという事を語るシーンがあるので、相当悪い人です。ドラマの中の仮想世界とはいえ、厳罰に処されて二度と復帰できないことを祈るばかりですw
 今回の終わり方は、いくつかの要素が結論が出ないまま終了になっています。season 8 に続くんでしょうね。US のサイトでは告知が出ています。