LED 電球推進

 去年書きましたが、自宅のほぼ全てのレガシー電球(白熱電球)が LED 化されました。これで、無駄につけっぱなしでも大丈夫ですw LED 電球はだいぶ明るくなりサイズもコンパクトになってすっかり実用品となりました。イニシャルコストはあまり気にせず、ランニングコスト重視の私としては、やっぱり電気代が減るのはとても良いことです。
 残念ながら、高出力タイプ(100W相当)については一社 1 種類しか出ておらず、サイズも少しだけ長くなるのでまだまだ発展途上だとは思いますが、普通の 60W 未満の廊下のダウンライトや玄関、トイレなどは十分に置き換えが可能です。電球型蛍光灯と違いすぐに明るくなるし、電気代も安いのでよい感じです。オススメ。

 ただ、問題なのは、その販売方法。60W相当型、として売られている物を、本当に 60Wフルの明るさが必要な環境で使ってしまうと、暗かったりして困ることになります。ダウンライトとして、下半分に集中しても言い使い方だとあまり変わらないのですが、裸電球的に全方位の明るさを求めてしまうと、とたんに暗くなります。これは、LED 電球の 「片側半分だけに光を集中させる」 という構造が原因です。
 構造的な問題や製品の特性としてはそれはそれでかまわないのですが、売るときに 「60W相当型」 として売ってしまうと、ダウンライト以外の使い方では 「え? なんでこんなに暗いの?」 と不評を買うことになります。そのため、今でも多くの人が 「LED 電球って、実際使ってみると暗いんでしょ」 と 「ダメな新製品」 扱いしている人も多いのです。
 もちろん、箱にはちゃんと LED の特性が書かれていて 「直下照度で 60W 相当」「全周囲だと 35W相当です」 とか説明が書かれていたりするのですが、そこまで読まなかったり、読んでも理解できない人も多いかと思います。60W相当と言われたら、60Wの明るさを期待するのが人というものでしょう。
 その結果、60W の明るさを期待して買って帰った人が、ダウンライト以外の使い方をすると、明るさに不満を持ち、その不満は、クチコミやネットのブログなどで「悪評」として、ネガティブな宣伝として世を駆け巡るわけです。これ、最初から 「40W 相当」 として売っていたらどうでしょう?
 もちろん、40Wじゃ、暗いから買わない、といって見向きもしない人が出てくるでしょう。そういう意味では 「売れない」 ことになります。でも、これはこれで正解。だって、実際問題、全周囲に 60W クラスの明るさを必要とする環境では、実用段階ではないのですから。60W クラスだと期待して半分騙して買わせても、それは結果的に LED 電球への不信感、だめなものなんだというイメージ定着をさせるだけです。初めて LED 電球を使う人の、最初の刷り込みとして 「性能の悪いもの」 として認識されるわけです。
 当面売れるようにするために、誇大広告的に 「60W クラス」 として宣伝して買わせても、結果みんなが不幸になるだけ。将来的にもっと性能が上がっても、LED 電球っていうのは予想以上に暗くて性能が悪いもので、レガシー電球や蛍光灯の電球の方がいい、という印象を持たれてしまい、買わなくなってしまうわけです。それは、長期的に見たら、売り上げは減りますよね。目先だけで考えてるから、ダメなのです。
 私の周りでも、SHARP の電球をスタンドタイプの照明に入れて、その暗さにびっくりし、LED 電球っていうのは、表示は詐欺みたいなもので、実際には暗くて使い物にならない、という印象を持ってしまいました。私がおうちの照明を LED に変えた、と言ったら 「あぁ、買っちゃったんだ。暗くて不便でしょう?」 と言われてしまいました。たぶん、彼女は二度と LED 電球を買わないんじゃないでしょうか。新製品が出ても 「どうせまた詐欺でしょ」 的な不信感から、カタログすら見ないと思います。
 ただ、SHARP の LED 電球は色が黄色っぽくて、明るさもちょっと劣っていたのは事実で、これを Panasonicエバーレッズに交換したら、充分な明るさで色合いもよく、全く問題なくなりました。SHARP の LED 電球は、一個は実家のトイレ用で、もう一個を自宅のトイレ用に左遷となりました。左遷といっても、狭いトイレでは充分な明るさで、かつ、色合いもそれほど気になる場所ではないので、適材適所と言え、不当人事ではありませんw
 なんにしても、LED 電球は暗くて使い物にならない、と思っている方は、使う場所や用とを考えて、選びなおしてみると幸せになれるかもしれません。