上手なミーティングのやり方

なんていう本は、巷でいくらでも出ていたりしますが、読んだ事はありませんw 基本的に、ビジネス書は参考にならない物で、宗教に近いと思っていますので。で、meetingをするときに必ず心がける事。

  1. ミーティングは極力開催しない
  2. 全員がリアルタイムで同時にいないと困る話題以外は振らない
  3. 終了時間が決まっていてもだらだら続けない
  4. 発言が必要な人だけ発言する
  5. 形式を決めない
  6. 参加者を厳選する
  7. 「討議決定」 と 「周知広報」 のけじめをつける

 こんなところです。
 まず、1. に関しては、ミーティングの性質を考えてみましょう。みんながそれぞれ自分のペースでいろいろお仕事をしている中で、ミーティングを開催するという事は、参加者全員の時間を、同時に強制的に中断させて奪うものです。電話と同じで、プライオリティが高く、各スタッフのお仕事の妨げになります。
 調子よく進んでるところで、ミーティングの時間だからとやっている事を途中で手放さないといけなくなったり、手放してしまったので、ミーティング後に続きをしようと思っても、調子が戻らなくていまいちうまくいかなかったりします。また、そうなる事を恐れてミーティングがあるからと 「開始時間まであと 30 分しかないので手をつけるのやめよう」 みたいな感じで、変な空白時間が産まれます。
 つまり、それだけスタッフのお仕事に大きな影響を与えて邪魔をするわけです。よく考えないといけません。もちろん、ビジネス書なんかでは 「この空白時間を活用してうまく仕事を回せ!」 みたいな事が書いてあったりしますが、ねっころがりながら片手間でできるような甘い仕事ばっかりじゃありませんから、寝言は寝ていえ、ということになります。
 つまり、参加者全員の時間を強制的に奪うという性質をよく理解して 「参加メンバーがどうしてもリアルタイムで同時に話をしなければ解決できない難問や至急性の内容」 の場合以外は開催しないようにするべきです。mail やウェブで済む事は、極力そっちで済ませましょう。ましてや、そういう内容があるかどうかもわからないのに定期的に開催するなどもってのほかです。
 これは 2. にもつながります。例え、ミーティングを開催したとしても、その場の内容は極力絞り、全員が "今その場で" 討議しないといけないもの以外は口にしないことです。つまり 「あとでメールで検討すればいい」 ような事まで泥縄式に話題に出したりしない事ですね。これをすると、貴重な時間がだらだらと失われていきます。
 つまり 3. もそうですが、1. で述べたように、ミーティングというのは、ある種特殊な優先度を持って時間を奪うものですから、極力短くしないといけません。ですので、15時まで、と決まっていても、14時30で必要な事がだいたい決まったのなら、すっきりと終了させて解散しないといけません。15時までミーティングルームを取ってあるからと、だらだらと不必要な事まで話題にして時間を 「消化」 するような事は避けるべきです。
 勘違いがたまにあるのは、ミーティングという行為そのものが仕事だと思ってるタイプの人です。そういう人は、15時まで確保してあるミーティング時間を14時半で終了させる事は、なんだか途中で手抜きをしたような、仕事を途中で放り出したような錯覚を覚えてしまいがちです。ミーティングそのものが目的ではありませんし、時間給じゃないので時間いっぱい何かをして浪費する必要はありません。
 4.に関しては、ついでや思い付きで、どうでもいい事を話題にしない、ということです。どういうわけか、世の中には、ミーティングに出たら何か発言しないといけないと思ってるタイプの人がいます。そういう人は、特に必要もないのに無理に話をしようとしますから時間の無駄です。何か発言したら仕事した気に成るタイプの人はいけませんね。アイディアや質問がないなら黙っていればいいわけです。
 それは 6. にもつながることで、むしろ発言や質問が生まれないような人をミーティングに呼ぶべきではありません。もちろん、監督的意味合いや、決定した事をその場で承認する必要がある場合などは別ですが、参加はしたものの特に役に立たないような場合には呼ぶべきではありません。この場合の、役に立たないというのは、人が役立たず、という意味ではなく、お仕事の邪魔をしてこのミーティングに参加させる意味はなかった、という意味です。
 5. は、形式、つまり、結婚式みたいに 「xxさんが司会(?)をして、yyyさんが記録をとって」 とか 「まず〜を話して」 みたいに決めてしまう事です。形式を決めて行われるミーティングは、大抵 「ミーティングすることそのものが目的」 になってしまいがちで、危険です。必要に迫られて開催したものであれば、そんな形式を決めなくても、必然と誰かが行うはずです。
 もう一度、6. に戻りますが 「参加者を厳選する事」 です。何度も書くように、お仕事の邪魔をする面倒な行為ですから、そういった無駄をしてまで開催する以上、影響範囲、つまり、参加者は極力狭めて、必要な人だけを呼ぶべきです。「とりあえずいてもらおう」 的な招待は厳禁。「teamのメンバー全員」 とか 「担当の一人だから」 的な意味合いで形式的に参加者リストに載せるのはやめましょう。
 7. ですが、ミーティングで行うのは、前者の 「討議決定」 です。したがって、話し合って意見なりなんなりを調整するのが目的です。ですから、意見が出ない人は参加する必要がありません。たまに 「内容を知ってもらう」 という目的だけで参加させる人がいますが、それは 「周知広報」 です。それに関してはリアルタイム性は必要ないわけですから、あとで必要な人にメールでミーティングのミニッツ(要約)を送るか、文章では難しいようであれば、口頭でまとめて伝えましょう。
 「知ってもらうため」 に参加させる最悪の例が 「周知するためのミーティング」 です。例えば 「2月の売り上げは5億円になりました」 とか 「目標より2億円多かったです」「秋葉萌えプロジェクトの進捗は19パーセントです」「フチコマ2号機は19日までには完成する予定です」 みたいな、単なる事実をミーティングで発表することですね。これ、リアルタイム性は必要ですか? メールなりチームのウェブなりに掲載すればいいだけの話です。こういうのは 「周知広報」 であり、ミーティングで行ってはならないことで、「全員が同時にその場で強制的に」 行う性格の物ではありませんから、時間の無駄です。
 いかがでしょうか。皆さんの職場では、無駄なミーティングは行われていないでしょうか。たまに、ビジネス系週刊誌の中吊り広告なんかで 「生産性」 とか 「時間の有効活用」 なんていう文字が見かけられますが、その割には、いつまでたっても無駄なミーティングがなくならない企業は多いようです。
 生産性だとかそういうものがうるさく言われないうちの組織ですら、先述のような原則に反したミーティングを行うと、結構うるさく怒られます。やることさえやって結果を出せば、寝ていようとオフィスでゲームしてても怒られない職場なのになんで? と思うかもしれませんが、やってはならない事の中に 「他人に迷惑をかけること」 というのがあるわけですね。つまり、何しようと勝手だけど、他の人のお仕事の邪魔しちゃいけない、というわけです。
 自分のお部屋やブースをどんなに飾り立てたりしても構いませんし、ゲームをしても構わないわけですが、飾りや臭いが他の部屋に及んで迷惑をかけたり、ゲームをしてその音で仕事の邪魔をする事は結構厳しく見られます。生産性云々というより 「仕事の邪魔をするな」 というのがかなり色濃く守られている文化があります。
 これは、目先の時間を削るという生産性・クォリティの向上よりも、お仕事に自分のペースで集中させる、ということのほうが、最終的に生産性を上げる効果が高いからです。何度も書いていますが、お尻を鞭で叩いて無理やり働かせてもいい結果は出ないというのが鋼の鉄則です。短絡的な目先の追い込みではなく、本質的に奥深いところから改革するという色濃いカルチャーがあるわけですね。
 つまり、電話やミーティングで直接聞いたほうが、その目的そのものは早く解決するように見えますが、それは他人のお仕事の邪魔をしてクォリティも効率も下げ、最終的には全体としての生産性は低下することになるでしょう。
 だらだらと書きましたが、要約すると、今回もまた 「目先の効果だけの安直な思想と行動はダメよ」 という、何度も書いたありきたりなお話なのでしたw 立場的に、それぞれ改革できる範囲は違うかもしれませんが、最低限自分のいるチームだけでも見直してみてはいかがですか?