ブログのネタ切れ?

 知人とお話をしていて出てきた中に 「友達の子(女子)が、ブログをしてるんだけど、ブログのネタ切れが怖いって悩んでる」 と言ってました。へ〜、ネタ切れって何だろう? と思ったわけですが、どうやら、ブログに書くネタがないのは困る、という事らしいです。よくわからないですが、ネタがないならないで何も書かなければいいんじゃないの?と思ったわけです。この辺、やっぱり温度差があるようです。
 その人は、ブログのネタがなくなるのが怖いので、何もない日でも、わざわざブログに書くためにお買い物に行ったり、旅行に出たり、映画を見に行ったり流行の本を買ったりして来たるそうです。まぁ、何がきっかけにせよ、活動が活発になるのはよい事なので、それはそれでおめでとう、と言ってあげるべきなのかもしれませんが、そもそも「本末転倒」であることに変わりはありません。
 そもそも、単なる日記。あった事を書くだけであって、書く事がなければ書かない、もしくは「何もなかった」事を嘆く事を書けばいいだけです。で、彼女のいうのが 「書く事がない」 のではなくて、正確には 「ネタがない」 という事なのが引っかかるわけです。書く事がないのは、ブログがかけなくてつまらないなぁ、くらいの純粋な感想にとれなくもないのですが 「ネタがない」 っていうのは、なんか違う気がします。
 これは以前に書いた、ブログがいつの間にか雑誌記事気取りになってしまってる事が原因なんじゃないかと思います。もちろん、何日も何ヶ月も更新する内容がないと、それは気になるかも知れませんが、数日であれば特に気にする必要もありません。何も書く事がない日々を送った、というのもその人の人生の一時期の事実なのですから。
 また、ネタを 「面白い事」 と捉えるとなおさらの事。例えば、朝起きてご飯を食べて、お買い物に行って…なんていう特別面白い事がないようなブログだと困る、読んでる人が面白いと思うようなブログにしないといけない、と思いすぎてしまう事が問題でしょう。これも、雑誌のコラムのように、プロが読者のために書くという感じになってしまって、なんだか全然違います。
 おそらくこのあたりは、アイドルとか芸能人の作った 「なんとかブログ」 の類で爆発的人気と話題を集めてたりするのを見て、自分もそんなのを…と思って、いつの間にか「他人のためのブログ」を単なる一般人が書くようになっちゃった、もしくは、今までブログが何かを知らなかった人が、アイドルの人気ブログを見て、それが普通のブログだと思っちゃった人が激増してる証拠だと思います。
 どちらにしても、普通の人が書くのは、単なる日記。何かを勘違いしてコラムを書いてる気分になるのは困りものです。ブログが更新されない理由として「ネタがないから」なんて言う人の話を聞いてみると、充分ネタになることはあるわけです。でも、その人にとっては、雑誌に載るような 「特別な事」 という意味のネタなんですよね。つまり、読んだ人が、これは面白い!これは珍しい!これはすごい!なんて思うような物を書かないと思いこんでしまってるわけです。
 もちろん、昔から 「プロ気取り」 の方っていうのはそれなりにいました。でも、それって何というか、男の子が電車の運転士の真似をするようなもので、端から見てると 「お子様だねぇ」 という感じです。例え本職のライターを目指してる人であっても、まずはそう言う場ではそういう「気取った」事から始めるのではなく、ブログらしく普通の日常を、それらしくきちんとつづるという基礎をこなしてたりするものです。
 昨今は、ブログに限らず普通のウェブサイトでも FlashJava を使った凝った物が増えています。その昔、Flash をやたらに使うなと教わったので、私は使いませんが、今ではそういう注意をする人が、新規参入してくる新人たちの数に追いつかないのでしょう。そのため、すっかり注意する声は聞かれなくなりましたが、昔からやってる人間としては、自分は使わないのは当然の事なので、私は使っていません。
 で、少し話が逸れましたが、ブログに限らず、こういう普通のウェブサイトも、プロみたいに作らないといけないと思ってる人が増えてる気がします。綺麗に、プロみたいに作るか、それが出来なければ作らない、なんていう雰囲気があります。タグを勉強中なのかな〜、とか、がんばってるな〜、という感じの 「工事中」 サイトは滅多に見られなくなり、CSS を使ったきれいなサイト、デザイナー気取りのサイトが増えてると思います。
 もちろん、そういう凝った物を作るのはよい事ですが、「そういう風に作らないといけない」 という風潮は悪い物です。自分のウェブページを作りたいけど、あんなきれいなのは作れないから、と作らないのは 「プロ気取り」 が増えた証拠です。アマチュアはアマチュアらしく、適当に作ったらいいんじゃないでしょうか。どこの誰が、プロみたいなのを作らないといけないなんて言い出したのでしょう。
 日記も、読んでいて面白い物を書かないといけないなんていうことは、決してありません。どこからそんな風潮になってしまったのでしょう。コラムを書く人がいてもいいですが、今のブログを見てると、みんながコラムを書いてるような、そんな感じです。おかげで、どこもかしこもボロボロ。その日思ったちょっとした事を、適当に書いておく新鮮さが重要。おもしろおかしく、上手な表現を使って書く必要はありません。素人なんですから。誤字脱字、スペル間違い大歓迎です。
 広告収入があったり、お仕事の一環でやってるので書き続けないといけない、というのであれば仕方有りませんが、普通の人が普通にやってるだけのブログなら、普通に書けばいいわけです。趣味でやってるわけで、義務ではありません。気楽に、ほんの少しでも、どうでもいい事を、その代わり、頻繁に末永く書きましょう。ネタがなく、「プロ並みの人気有るコラム」をかけなくなるのがプレッシャーでブログそのものを辞めてしまうなんて、お金持ちの階層じゃなければ生きてる価値がないと言って自殺してしまうのと同じほど、哀れで浅はかな事だと思います。「知らない人に見せるブログ」ではなくて「自分や友達に見てもらう気軽なブログ」がいいんじゃないでしょうか。