動画消化

H2O -FOOTPRINTS IN THE SAND- 〜#11

 一気見なので箇条書きではなく書きますが、正確には、#4 か #5 あたりまで見ていて、先行放送されていたテレビ埼玉のを #8 の途中から録画し始め、遅れていたのが追いついたので、「つながった」 ところから#6 から #9 までがほぼ一気見で消化された感じとなりました。
 さて、感想ですが…なかなかの消化中止要素盛り沢山。このアニメは、AIR ほどではないものの人の登場が 並列過ぎて、話がイマイチうまくつながらない傾向があり、結構疲れます。また、この手のアニメに定番の 「なんだかんだ言って、主要登場人物の全員が、主人公クラスの一人の男の子に "気がある" という設定」。特に鈴の話は痛くて、途中で見るのをやめて消してしまいました。
 コレが単に 「全校生徒からモテモテの男子」 という主人公設定なら別にいいのですが、決してそういうのではなく 「おとなしく目立たずモテてないようで、実はこっそりモテモテ」 という、ちょっとねじ曲がった設定も、ありきたりと言えるかも知れません。何でこういう設定が多いのか、謎ですが、一般には受けるのかなぁ。
 あとは、下着姿とか、体の局所的な表現とかが結構あちこちにありちょっとイマイチ感が漂います。状況も、なんかスカートの中に頭入れてたりとか…そういうのがあると、せっかく本編が泣ける内容や面白いと思える内容でも、作品そのものが軽薄に見えちゃってもったいないと思います。マンガだから、小学生みたいなノリで OK という事なんでしょうか。絵もそれなりに丁寧だし…(らき★すた比w)もったいない!
 さて、内容ですが、見えない目が見えたり見えなくなったり…そのトリガを描写したいのかな、というのは何となくわかったのですが、ちょっと間延びしすぎ。最初の段階で、見えなかった物がいきなり見えた時点で拍子抜けした感じでしたが、また見えなくなった…しかも記憶は偽だった? でも、この「カラクリを楽しむ」という要素をなくさせたのが 「マジカル音羽」 の回です。
 この回では、一種の夢オチのような、仮想世界の登場を扱っています。つまりこの時点で 「何でもあり」 になっちゃったわけですね。何をやろうと 「魔法」 と 「信じる力」 で説明つけちゃう、まぁ、マンガらしいと言えば漫画らしい世界になっちゃいました。主人公の目が見えない、しかも、見えてたというのも幻想だった?という 「今までの物語は何だったの?!」 と思わせる内容も、どうせあとから 「信じる力がなくなったから、それまでの見えていた世界がパラレルワールドにシフトして、見えていなかった世界に送り込まれた」 的な内容で終わりそうです。
 何でもありの世界を臭わせていなければ、ひぐらし的なパラレルワールドや繰り返しの世界など、特殊な世界を想像・推理したり、もしくは、本当に幻だった、けど、じゃぁ見てた世界は、夢? それとも幻? なんてわくわく想像が出来るわけです。けど、マジカル音羽の回によって、それらが全部なし。どうせ 「主人公がみんなを信じる事ができるようになったら、目がまた見えるようになって、元のパラレルワールドに返って楽しい世界」 にでもなるんじゃない?」 と冷めた目で見られがちです。
 あと残念なのは、はやみちゃん。「みんなと仲良しで明るい子→ツインテール」「元の差別された暗いはやみちゃん→髪を下ろした状態」 という、わかりやすいけど余計なスタイル変化が入っています。はやみちゃんのキャラは彼女の持ち味でもあるので、彼女の持ち味だった、ちょっと冷たい雰囲気、その彼女をみんなの仲間に入れて、楽しくしている、という雰囲気がよかったんじゃないでしょうか。髪型を変える事で、雰囲気が大幅に変わり 「仲間になった」 感が薄れています。「表はやみと裏はやみ」 みたいな事をしたかったのかも知れませんが、結果的には同一人物の環境変化という描写が薄くなってしまった気がします。
 この作品で、ちょっと珍しいと思ったのは、はやみちゃんがいじめられるシーンで、暴力シーンが普通にあった事です。もちろん、暴力シーンが歓迎されるかは議論が分かれる所ですが、これが 「女子に対する暴力シーン」 で有る事が注目です。一般的には男子が殴られるシーンは問題ないけど、女子に対する暴力はダメ、みたいな男女差別感が強いと思います。それを、問題なく対等の立場で扱い、はやみちゃんが暴力をふるわれるシーンが普通に書かれています。
 作品の性格上、暴力という手段が描写される必要性があったわけですが、その中身において、女子だからと、わざとあまり描かなかったり、控えめにするような差別扱いがなかったのは、よい事だと思います。おかげで、殴られたりいじめられたりしているはやみちゃんを見て 「かわいそう(TT」 という実感をしっかり得る事が出来ました。何でこんなことをするの〜、みたいな感じです。
 次回は、最終回なのかな…どう描写されるかわかりませんが、最期は面白かったと思う作品だといいなぁ、と思います。